「実務経験証明書は漏れなく提出したい」という考えが多く、私も一緒です。
とはいえ、「実務経験証明書の提出方法や作成方法がわからない」「従業期間と従事日数の計算が正しいか不安」「前の職場にどうやって依頼すれば良いか知りたい」という人もいるでしょう。
そこでこの記事では、介護福祉士の実務経験証明書について、介護福祉士として9年間勤務した私が解説します。
具体的には以下のポイントを順番に紹介します。
実務経験証明書とは
実務経験証明書の従事日数の範囲
実務経験見込証明書でも申し込めるのか
記事を最後まで読むと、提出する書類の漏れがなくなり、介護福祉士国家試験に集中できるはずです。
介護福祉士を実務経験ルートから取得を目指したい人は、参考にしてください。
実務経験証明書とは、介護福祉士の国家試験を実務経験ルートで受験する場合に必要な書類です。実際に勤務していた経験を証明する書類で、受験資格の有無が判断されます。実務未経験では受験できないので注意が必要です。
2つの内容を解説します。
介護福祉士国家試験を実務経験ルートで受験する際に、実務経験証明書が必要です。介護福祉士国家試験を受験できるルートは、4つに分けられています。
・ 養成施設ルート
・ 実務経験ルート
・ 福祉高校ルート
・ 経済連携協定(EPA)ルート
福祉高校や養成施設を卒業していない方が、介護福祉士の資格取得を目指す場合、必然的に実務経験ルートで受験となります。
実務経験ルートでは、介護の実務経験が3年以上行ったことを証明するため、実務経験証明書の提出が必要です。福祉系高校や養成施設を卒業、実務者研修修了+介護の実務経験が3年以上あれば、介護福祉士国家試験の受験資格を取得できます。
実務経験証明書の形式は、「公益財団法人社会福祉振興・試験センター」で申請するともらえる「受験の手引き」に同封されています。
同じ期間に複数の事業所に所属している方は、実務経験証明書に加えて従事日数内訳証明書も必要です。
受験の手引きには、「介護福祉士国家試験を受験するために必要な書類」「書類の記入方法」「提出期限」が記載されています。
もし実務経験証明書や従事日数内訳証明書が足らなくなった場合は、「実務経験証明書、従事日数内訳証明書の様式と記入方法」で、PDFファイルをダウンロードしましょう。
また実務経験証明書の記入は、勤務しているまたは勤務していた事業所の代表者に記載してもらう必要があります。事業所も時間を割いて記載するため、提出期限のぎりぎりではなく早めにお願いしましょう。
\近所のスクール・講座をみてみる/
介護福祉士の講座を資料請求(無料)実務経験ルートで介護福祉士の国家試験を受験する場合、従事期間3年以上(1095日以上)かつ従事日数540日以上が必要です。従事期間や従事日数、対象となる事業所および職種について解説します。
実務経験の対象となる事業所および職種は以下の通りです。
分野 | 職種 |
---|---|
児童分野 | 保育士 介助員 看護補助者 看護助手 指導員 児童指導員 障害福祉サービス経験者 |
障がい者分野 | 介護職員 介護員(盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業) 寮母 保育士(児童デイサービス) 生活支援員 指導員(児童デイサービス・地域活動支援センター) 精神障害者社会復帰指導員(精神障害者社会復帰施設) 世話人(共同生活介護・共同生活援助) 訪問介護員 ホームヘルパー ガイドヘルパー |
高齢者分野 | 介護職員 介護従事者 介助員 支援員(養護老人ホームのみ) ホームヘルパー 看護補助者 |
その他の分野 | 介護職員 介護員 介助員 看護補助者 看護助手 原爆被爆者家庭奉仕員 家政婦 |
介護等の便宜を供与する事業 | 介護職員 訪問介護員 |
対象となる事業所や職種は、細かく分類されています。対象となる職種なのか詳しく知りたい方は、「公益財団法人社会福祉振興・試験センター」の実務経験の範囲ページをご一読ください。
介護福祉士国家試験の受験対象となる従事期間と従事日数は、3年以上(1095日以上)かつ従事日数は540日以上と定められています。つまり介護に関わる事業所に3年以上在籍し、540日以上の勤務することが受験条件です。
具体的に勤務時間や業務内容については指定されていません。1日の業務で介護業務を行っていれば、従事日数にカウントされます。しかし1日に複数の介護事業所を掛け持ち(Wワーク)していた場合でも、従事期間と従事日数は1日としてカウントされます。
また出張や研修など、介護業務に関わっていない日は、従事日数にカウントされない点に注意しましょう。
実務経験証明書についてインターネットで調べると、「書いてくれない」という投稿があります。基本的に実務経験証明書を書いてくれない事業所はありません。記入する用紙が異なる場合、記載してもらえません。
また実務経験証明書のテンプレート様式は、事業所ではなく自分で用意するものです。介護の手引きや「公益財団法人 社会福祉振興・試験センター」からダウンロードしましょう。
過去に勤めていた事業所が倒産していた場合、実務経験証明手続きが複雑になります。勤めていたことを証明できる、以下の書類をいずれか1点提出します。
施設・事業種類が確認できる書類 | ・閉鎖事項全部証明書(閉鎖手続未済の場合:履歴事項全部証明書) ・その他、「施設・事業」が確認できる書類 |
職種(職名)が確認できる書類 | ・雇用契約書、雇用通知書 ・労働契約書、労働条件書 ・ 辞令 ・給与明細、勤務表(職種が明記されている場合) ・その他、「職種」が確認できる書類 |
従業期間(雇用期間・在籍期間・登録期間) | ・勤務表、出勤表 ・給与明細、源泉徴収明細 ・雇用保険や年金の記録に関する書類 ・その他、「従業期間」が確認できる書類 |
業務従事日数(出勤日数・労働日数) | ・勤務表、出勤表 ・給与明細 ・その他、「業務従事日数」が確認できる書類 |
\近所のスクール・講座をみてみる/
介護福祉士の講座を資料請求(無料)介護福祉国家試験は、実務経験証明書の従事期間と従事日数が足らなくても、受験できるケースがあります。どのような場合に受験できるのか詳しく解説します。
介護福祉士国家試験は、実務経験見込でも受験可能です。実務経験見込とは、試験実施年度の3月31日までに従業期間・従業日数を満たす方です。
たとえば令和5年度の試験を受ける場合、試験実施年度(令和6年)の3月31日までに授業期間3年以上と、従事日数540日以上を満たせば受験できます。令和3年3月1日から対象となる施設で勤務しており、実務者研修を修了している方は、介護福祉士国家試験を受験可能です。
自分の従業期間と従事日数がわからない方は、「公益財団法人 社会福祉振興・試験センター」のページで提供されている、従業期間計算表で簡単に計算できます。
参照:従業期間計算表
算定開始日と算定終了日を入力すると、従業期間が表示され計算結果から自分は受験資格があるのか確認できます。
実務経験見込で受験した場合、従業期間と従事日数を満たし次第、速やかに実務経験証明書を提出します。実務経験証明書を提出しなかった場合、介護福祉士国家試験に合格しても無効となります。
令和4年度の場合、実務経験証明書の最終提出期限は令和5年4月7日(消印有効)でした。
実務経験証明書を見込で申込むときの記入方法も、受験の手引きに記載されています。「公益財団法人 社会福祉振興・試験センター」の「実務経験証明書、従事日数内訳証明書の様式と記入方法」のページからも確認できます。よくある記入間違いも記載されているので、必ず確認してから提出しましょう。
複数の事業所で勤務していた場合、従事日数内訳証明書を提出します。働いているまたは働いていた事業所の代表者に事情を説明し、必要事項を記入してもらいましょう。
複数の事業所で働いていても、従事日数は1日としてカウントされます。自分がどのくらい重複している期間があるのかは、「公益財団法人 社会福祉振興・試験センター」の従業期間計算表で算出できます。
\近所のスクール・講座をみてみる/
介護福祉士の講座を資料請求(無料)実務経験ルートで介護福祉士国家試験を受験する場合、必要な書類は以下の6つです。
・ 受験申込書
・ 受験手数料振替払込受付証明書貼付用紙
・ 受験用写真等確認票
・ 実務経験(見込)証明書
・ 従事日数内訳証明書
・ 実務者研修修了(見込)証明書
それぞれの書類について解説します。
受験申込書とは、介護福祉士国家試験に受験を申し込むための書類です。
・ 養成施設卒業
・ 福祉系高校卒業
・ 実務者研修修了+実務経験3年以上
3つのルートで受験する方に必要となります。
受験手数料振替払込受付証明書貼付用紙は、受験手数料18,380円の支払いを証明するための用紙です。コンビニエンスストア等専用払込票を使い払い込み、払込受領証の原本を受験手数料振替払込受付証明書貼付用紙にのり付けで貼ります。
コンビニエンスストアや金融機関備えつけの払込用紙、ATMで払い込みもできます。ATMで振込する場合、振込手数料は自己負担です。
受験用写真等確認票は、試験当日の本人確認として使用されます。写真がないと受験できません。写真は以下の条件をすべて満たさないと無効となります。
サイズが異なったり、髪が目にかかっていたりする写真は鮮明ではないため無効です。必ず6つの条件をクリアした写真を貼付しましょう。
実務経験ルートで受験する方は、実務経験見込証明書を提出します。見込で受験する場合、従業期間および従事日数を満たした時点で、実務経験証明書を作成し提出しましょう。期限までに提出しないと試験が無効となります。
従業日数内訳証明書は、同じ期間で複数の事業所で働いている、または働いていた方のみ提出が必要な書類です。専用の書類を事業所の代表者に記載してもらいましょう。
介護福祉士国家試験を実務経験ルートで受験する場合、実務者研修修了証明書を提出します。受験年度の12月末までに修了予定の方は、修了見込で受験可能です。修了見込で受験した方は、実務者研修修了後に速やかに書類を再提出しましょう。
\近所のスクール・講座をみてみる/
介護福祉士の講座を資料請求(無料)退職している事業所に実務経験証明書の記入をお願いする場合、必ず依頼文を添えて送付しましょう。依頼文には以下の項目を記載するよう、丁寧に文章を添えて作成します。
挨拶文
記入していただく目的
従事期間
実務経験証明書の返送方法
いつまでに記入してもらいたいか
派遣社員として勤務していた方は、派遣元の会社に実務経験証明書の作成を依頼してください。
\近所のスクール・講座をみてみる/
介護福祉士の講座を資料請求(無料)介護福祉士国家試験は、法令に基づいて国から試験業務を委託された機関が実施します。いかなる理由であろうと、実務経験証明書の提出期限は守らなくてはいけません。
提出期限を過ぎてしまった場合は、受験を諦めてください。万が一の事態が発生しても良いように、あらかじめ余裕をもって書類の準備を進め、受験の手続きをしましょう。
\近所のスクール・講座をみてみる/
介護福祉士の講座を資料請求(無料)介護福祉士の実務経験証明書に関するQ&Aを紹介します。
1. 受験申込書
2. 受験手数料振替払込受付証明書貼付用紙
基本的に受験申込者が、実務経験証明書を記入することはできません。しかし「公益財団法人 社会福祉振興・試験センター」によると、自己証明ができるケースもあります。
実務経験証明書の「代表者」欄が受験申込者自身である場合、受験申込者自身が代表者であること、実務経験の対象となる事業を行なっていることが確認できる「法人の履歴事項全部証明書」の原本を必ず提出してください。
引用:実務経験の範囲
過去に介護福祉士国家試験を受験した方は、実務経験証明書を再提出する必要はありません。
\近所のスクール・講座をみてみる/
介護福祉士の講座を資料請求(無料)介護福祉士の実務経験証明書に関する内容は以上となります。実務経験証明書は、介護福祉士国家試験を実務経験ルートで受験する際に必要な書類です。
過去に働いていた事業所の代表者に記入してもらう方もいるため、提出期限に余裕をもって依頼してください。実務経験見込証明書でも、国家試験は受験できます。
従業期間と従事日数の条件を満たしたら、速やかに実務経験証明書を提出しましょう。期限を過ぎてしまうと、国家試験に合格しても無効となります。
合格後には登録申請書の提出が必要ですので、こちらも忘れないようにしましょう。
\近所のスクール・講座をみてみる/
介護福祉士の講座を資料請求(無料)BrushUP学びはスクールや学校、講座の総合情報サイト。
最安・最短講座や開講日程、分割払いなどをエリアごとに比較して無料でまとめて資料請求できます。
まずは近くのスクールをチェックしてみてくださいね♪
平日なら電話での請求も可能です。
\近所のスクール・講座をみてみる/
介護福祉士の講座を資料請求(無料)\最短1分!いろいろなスクールを比較できます/
介護福祉士の講座資料を請求(無料)