利用者様へきめ細かいサービス技術を身につけたいなら、喀痰吸引等研修がおすすめです。
とはいえ
「喀痰吸引等研修の内容がわからない」
「受講するとどんなメリットがあるのか知りたい」
「研修の日程や費用について教えて欲しい」
という悩みを持つ方もいるでしょう。そこで今回は、喀痰級等研修について介護福祉士の私が解説します。
最後まで記事を読むと、喀痰吸引等研修をどのような流れで受講するのかわかるので、ぜひ最後までご一読ください。
喀痰吸引等研修とは、「たんの吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)」と「経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養)」を行える介護職員等を養成するための研修です。
基本研修と実地研修に分かれていて、両方修了することで、医師の指示や看護師との連携のもと「たんの吸引」「経管栄養」が実施できるようになります。
尚、喀痰吸引等研修は医療行為を行う対象者(不特定多数の方と特定の方)によって研修内容が変わってきます。対象者に合わせて必要な研修を受けるようにしましょう。
>> 【喀痰吸引等研修種類別】実施可能な行為と対象者
喀痰吸引等研修を受講するメリットについてご紹介します。
自力でたんを出す事ができず、職員によるたん吸引が必要な方や、口から食事ができず経管栄養により栄養を摂る必要がある方の支えとなるスキルを習得。多様な利用者に対応できる技術で、現場で必要とされる介護職員を目指すことができます。
講義・演習・実地研修で「たんの吸引」「経管栄養」の知識、技術を学びます。現場で実際に使われる機材を使用した演習や施設での実地研修により、実践的な技術を身につけることができます。
「たんの吸引等」の専門技術を身につけることで、これまでより幅広い利用者に対応できるようになります。介護職員としてのスキルアップにもつながりますね。
介護職員として仕事領域を広げたい方は、受講を検討されてみても良いかもしれませんね。
喀痰吸引等研修は、基本研修と実地研修の2つに分かれています。2つの研修内容と講義時間数について見ていきましょう。
喀痰吸引等研修の基本研修には、講義と演習があります。講義は50時間、演習は項目により実施回数が決められています。科目と時間数・実施回数をまとめてみました。
▽基本研修【講義】
講義項目 | 講義時間数 |
---|---|
人間と社会 | 1.5 |
保健医療制度とチーム医療 | 2 |
安全な療養生活 | 4 |
清潔保持と感染予防 | 2.5 |
健康状態の把握 | 3 |
高齢者及び障害児・者の喀痰吸引概論 | 11 |
高齢者及び障害児・者の喀痰吸引概論実施手順解説 | 8 |
高齢者及び障害児・者の経管栄養概論 | 10 |
高齢者及び障害児・者の経管栄養実施手順開設 | 8 |
筆記試験 | 1 |
合計 | 50 |
▽基本研修【演習】
演習項目 | 演習実施回数 |
---|---|
喀痰吸引・口腔内 | 5回以上 |
喀痰吸引・鼻腔内 | 5回以上 |
喀痰吸引・気管カニューレ内部 | 5回以上 |
経管栄養・胃ろう又は腸ろう | 5回以上 |
経管栄養・経鼻経管栄養 | 5回以上 |
救急蘇生法 | 1回以上 |
実務者研修の科目「医療的ケア」でも同内容を学ぶことができます。喀痰吸引等研修の基本研修と実務者研修の受講料はそれぞれ15万円程度で、そこまで大きな差はありません。介護福祉士の受験資格を得られる、介護の専門知識・スキルも得られる点も考えれば、実務者研修受講で検討されてみてはいかがでしょうか。
実務者研修について詳しく知りたい方は『介護福祉士試験に必須!&サービス提供責任者になれる実務者研修』をご覧下さい。無料で資料請求もできます。
「たんの吸引等」の処置をするには、実地研修の修了が必須です。5項目『口腔内の喀痰吸引、鼻腔内の喀痰吸引、気管カニューレ内部の喀痰吸引、胃ろう又は腸ろうの経管栄養、経鼻の経管栄養』となっていて、各項目で実施回数も決められています。
項目ごとの実施回数を一覧でまとめてみました。
○実地研修
※回数は項目により異なります。
研修項目 | 研修実施回数 |
---|---|
喀痰吸引・口腔内 | 10回以上 |
喀痰吸引・鼻腔内 | 20回以上 |
喀痰吸引・気管カニューレ内部 | 20回以上 |
経管栄養・胃ろう又は腸ろう | 20回以上 |
経管栄養・経鼻 | 20回以上 |
喀痰吸引等研修は、医療従事者や介護職員が業務上必要となるスキルを習得するために大切な研修です。しかし、不測の事態や個人的な理由で欠席が発生した場合、振替日を設けていません。なぜなら、専門的な講師や担当者がスケジュールを空けて開催されるからです。
しかし、受講する場所によっては、医師の診断書を提出し明らかに受講が不可能であると確認できた場合のみ補償があるところもあります。基本的には、振替不可ですが申し込み時に確認しておきましょう。
喀痰吸引等研修の受講費用は、受講する養成所や事業所によって異なります。福祉教育専門学校である「三幸福祉カレッジ」の喀痰吸引等研修の受講費用を紹介します。
講座 | 受講料(教材費込みの税込) |
---|---|
第1号研修 | 236,500円 |
第2号研修 | 184,800円 |
第3号研修 | 40,480円〜 |
※金額は2023年6月時点の内容です。改定になる場合もあるので公式サイトをご確認ください。
養成所や事業所によっては、実地研修を自身で手配すると、実地研修料が免除される場合もあります。また、割引制度を用意しているところもあるので、対象となるのか研修を受ける場所にお問い合わせすると良いでしょう。
喀痰吸引研修の受講がおすすめな人は、以下のとおりです。
・ 介護業界で働いておりスキルアップを目指している方
・ サービスの質を向上させたい方
・ 訪問介護員として活躍したい方
上記に当てはまる方は、喀痰吸引等研修を受講がおすすめです。
喀痰吸引等研修を受講する際、まず受講先を見つけましょう。各都道府県の実地団体HPで情報公開されています。
喀痰吸引等研修を実施している事業者は、各都道府県のホームページにて公開されています。都道府県によって掲載の方法が異なります。
ここでは、都道府県知事から認定を受けて喀痰吸引等研修を開講しているおすすめのスクールを紹介します。比較検討する際の参考にしてみてください。
スクール名 | 受講料(税込) | 開講拠点 / 最寄駅 | 資料請求 |
---|---|---|---|
EDC医療福祉学院 | 第1号研修・第2号研修 いずれも133,000円 |
仙台駅前教室: 宮城県仙台市青葉区中央 (あおば通駅より徒歩6分) |
【 資料請求 】 |
日本キャリアパスアカデミー | 第1号研修 181,440円 第2号研修 170,640円 いずれも実地研修先の紹介あり |
本校: 埼玉県さいたま市浦和区 (浦和駅より徒歩5分) |
【 資料請求 】 |
以下スクールでも喀痰吸引等研修を開講しています。
◎ジャパンホームケアスクール
開講教室:
本校(愛知県名古屋市中区錦三丁目)
◎未来ケアカレッジ
開講教室:
【関東エリア】
池袋教室(豊島区池袋)
【東海エリア】
名古屋駅前教室(愛知県名古屋市中村区)
【関西エリア】
三宮教室(兵庫県神戸市中央区)
天王寺教室(大阪府大阪市阿倍野区)
京橋教室(大阪府大阪市都島区)
奈良教室(奈良県奈良市本子守町)
◎福祉の教室 ほっと倶楽部
開講教室:
【関東エリア】
新宿校(東京都新宿区西新宿)
横浜駅前校(神奈川県横浜市西区)
千葉駅前校(千葉県千葉市中央区新町)
大宮校(埼玉県さいたま市大宮区)
【関西エリア】
梅田駅前校(大阪府大阪市北区)
天王寺駅前校(大阪府大阪市阿倍野区)
三ノ宮駅前校(神戸市中央区雲井通)
◎フロンティア介護スクール
開講教室:
本校(愛知県名古屋市東区泉)
◎三幸福祉カレッジ
開講教室:
新宿教室(東京都新宿区西新宿)
◎セントカレッジ
開講教室:
東京校(京都中央区日本橋茅場町)
◎藤仁館医療福祉カレッジ
開講教室:
大宮校(埼玉県さいたま市大宮区大門町)
◎ユースタイルカレッジ
開講教室:
本校(東京都中野区中央)
◎アップワン
開講教室:
本校(大分市府内町)
◎クローバー・メディカル・ケア・アカデミー
開講教室:
鶴ヶ島校(埼玉県川越市鯨井新田)
◎HAPPY&SMILE COLLEGE
開講教室:
東京校(東京都大田区北馬込)
大阪校(大阪府岸和田市野田町)
◎ケアサポート学院
開講教室:
大分校(大分県大分市舞鶴町)
実務者研修について詳しく知りたい方は『介護福祉士試験に必須!&サービス提供責任者になれる実務者研修』をご覧下さい。無料で資料請求もできます。
喀痰吸引研修に関するよくある質問に回答していきます。
喀痰吸引研修は、eラーニング(通信講座)で受講できる事業所もあります。eラーニングを利用すると、座学研修の時間と通学研修の日数が大幅に短縮されます。しかし、eラーニングで受講できるのは、座学の部分のみです。
筆記試験
実地研修
上記2つは、通信で受講することはできないので注意してください。
基本的に、喀痰吸引の研修を受けることは学歴や経験問わず誰でも可能です。
喀痰吸引の試験は、受講した方の9割が合格しているため難しくはありません。しかし、試験内容は講義に沿った内容が出題されます。試験が不合格となっても、再試験できます。
喀痰吸引等研修は、介護現場で求められるスキルを身に付けられる研修です。研修内容は、基本研修と実地研修の2部構成で、喀痰吸引の理論と実践を習得します。
とくに、喀痰吸引等の技術は、利用者様の生活維持に直結するため、現場では即戦力となる能力の1つといえるでしょう。また、1号、2号、3号という異なるレベルの研修が存在するので役割と特性を理解することが大切です。
また、喀痰吸引研修は基本研修のみ、eラーニングで受講できます。実地研修は、直接受講しないといけませんが、日数を短縮させたい方は実施している養成所や事業所に確認すると良いでしょう。
現場で必要とされる技術を学び、より良いケアを提供するために役立ててください。
静岡県西伊豆生まれ。
●合同会社福祉クリエーションジャパン 代表
●介護施設 現場支援コンサルタント
●一般社団法人 日本アクティブコミュニティ協会 公認講師
●介護情報誌「TOWN介護Tokyo」 編集長
●NPO 16歳の仕事塾 社会人講師
●株式会社 是眞 編集長
【保有資格】
●介護福祉士
●ホームヘルパー1級・2級
●レクリエーション介護士1級・2級
●社会福祉主事任用資格
●福祉用具専門相談員
●介護予防運動指導員
●音楽健康福祉士
●音楽レクリエーション指導士3級
●防火管理者
●大型自動車1種免許
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