「介護福祉士の資格は、給与や雇用面で優遇されやすいから取得すると良い」という話を耳にしますが、私も同感です。
とはいえ
「取得した方の意見を知りたい」
「なぜ意味ないと言われているのか理由を知りたい」
「資格を取得すると年収はどれくらい変わるのかな」
という方もいるでしょう。今回は、介護福祉士を取得して9年間施設で勤務した私が、介護福祉士は意味がないのか解説します。
また「介護福祉士に向いているのか知りたい」という方に向けて、介護福祉士に向いている人の特徴も解説しています。ぜひ最後までご一読ください。
介護福祉士の概要は「介護福祉士になるには?」の記事で詳しく紹介しています。あわせて参考にしてみてください。
結論から申し上げると、介護福祉士の資格取得には意味があります。介護福祉士の資格は介護業界で働く際に必要不可欠です。
介護福祉士の資格を取得すると、介護の基本的な知識や技術を身に付けられます。利用者様への適切な介護をするためのスキルが習得できるため、より高度なケアの提供が可能です。
また介護福祉士を保有していると、オムツ交換や介助方法などがわからない無資格の方からアドバイスを求められ、職場で頼られる存在になります。1つの現場だけでなく、人手が足りない現場にも勤務するようになり、欠かせない人材となります。
介護福祉士は保有しているだけで、自分の価値を高めてくれるでしょう。
介護福祉士の資格を持っていると、無資格よりも市場価値があがり、転職や就職活動で大きな差となります。介護のプロフェッショナルであることを企業に証明できるため、給与面で優遇されやすいです。
介護福祉士の資格は介護技術の向上だけでなく、キャリアアップをしたい方にとって、意味のあるものであると私は実感しました。
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介護福祉士の講座を資料請求(無料)なぜ介護福祉士の資格は意味がないと言われてしまうのか、5つの理由を考察していきます。
介護福祉士の資格がなくても介護業界で働けるため、資格取得をする必要性がないという意見を持つ方もいます。しかし資格がない場合の主な仕事内容は、基本的な介護業務をこなすだけです。同じ業務を繰り返す日々になるため、モチベーションがあがりにくいでしょう。
介護福祉士を取得すると、専門的な知識や技術が身に付き、利用者様へのケアの質を高められます。さらに介護主任や教育係など、管理職も任されるため、モチベーションも高まります。
高齢化社会が進むなかで、介護業界の需要は高まっています。例年受験者数は8万人前後いるため、取得するための競争が激化していることから、介護福祉士を取得するだけじゃ意味がないと考えるでしょう。
年度 | 受験者数 |
---|---|
2024年 | 74,595人 |
2023年 | 79,151人 |
2022年 | 83,082人 |
2021年 | 84,483人 |
2020年 | 84,032人 |
しかし資格取得者であることは、専門的な知識や技術を持っている証拠です。資格取得後も、継続的に学習やスキルアップを行えば、増加による競争から抜け出した介護福祉士となります。
介護福祉士の合格率が高いため「いつでも資格が取れるから意味はない」という安易な考え方を持つ人もいます。
しかし介護福祉士の資格取得には、一定の難易度があります。
それでも合格率が高い理由として、試験対策をしっかりして受験する方が増えてきたからです。
試験の合格率は例年70%〜80%前後ですが、2割から3割の人は不合格となっています。
合格率が高くても、しっかり対策をして試験に挑みましょう。
また介護福祉士の資格を取得しても、待遇が良くならないという理由から、意味がないという意見もあります。
しかし、介護福祉士の保有者と、無資格者の給与は、厚生労働省の令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果によると約60,000円の差があります。
介護福祉士 | 363,890円 |
保有資格なし | 303,670円 |
参考:令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果(介護老人福祉施設 平均給与額)
介護福祉士を取得することで、待遇面でも明らかに優遇されます。今よりも待遇面を良くしたいのであれば、介護福祉士の資格取得は意味があるといえます。
介護福祉士の給料や年収を詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご一読ください。
介護福祉士の資格を取得しても、管理職になりたくないため、意味がないと考える人もいます。介護福祉士は、利用者様の生活を支えるため、責任ある役職を任せられます。たとえば介護主任やユニットリーダー、グル―プホームの施設長といった役職です。
PRTIMEZの調査によると「仕事量が増える」「業務内容と給料が合わない」という理由から、「責任ある仕事をするのが嫌だ」という意見が多いです。
介護福祉士は無資格の方よりも重要な役職に付くため、残業時間が増えたり、事務作業が多くなったりして、利用者と接する機会が減少する可能性もあります。
しかし責任ある仕事を任せられることは、自身のキャリア形成に大きく役立ちます。自身の成長を促す機会となるため、悪い部分だけではありません。スキルアップできるといういいチャンスになるでしょう。
介護福祉士の資格取得には、時間や費用が発生するため、短期的に見ると資格取得は意味ないと考える方もいます。実際に無資格の方が資格取得を目指す場合、6ヶ月以上実務者研修を受講しなくてはいけません。
さらに費用面では養成所(専門学校)で介護福祉士取得を目指そうとする方は、100万円〜200万円。実務者研修(無資格)から資格取得を目指す方は、3万円〜15万円の費用がかかります。
他にも介護福祉士を受験するための受験料や、合格したあとの登録料で約2万円ほどの費用が発生します。まとまった金額が必要なので、取得に向けて動き出すことを悩む人も多いです。
しかし資格取得の際、費用負担を減らす制度や給付金も利用すれば、金銭面での悩みも軽減されます。さらに通信受講を利用すると、時間的制約も緩和し学習も可能です。
このように資格取得者の負担を軽くする制度が用意されているため、まずは利用できる制度がないか調べてから、資格取得に向けて動くと良いでしょう。
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介護福祉士の講座を資料請求(無料)介護福祉士の資格を取得すると、主に以下のメリットがあります。
それぞれの内容を紹介します。
介護福祉士の資格を取得すると、介護サービスの質を向上できます。資格取得により、介護に関する正しい知識や技術を習得し、利用者様に適切なケアを提供することが可能です。
利用者様の生活の質を向上させ、より良い介護サービスを提供できます。また資格取得を通じて、業界の最新情報や知識を身に付けて常に最適なケアを提供できます。
介護福祉士の資格を取得すると、専門性を活かした仕事の幅が広がります。介護福祉士の資格取得者は、主に以下の介護サービスを提供する場で活躍します。
・ 介護老人福祉施設
・ 通所介護(デイサービス)
・ グループホームなど
また地域包括支援センターや、ケアマネジメント業務に携われます。仕事の幅を広げたい方には、介護福祉士の資格を取得すると良いでしょう。
介護福祉士の資格を取得すると、さらに上位となる資格に挑戦できます。たとえば介護支援専門員と認定介護福祉士です。2つの資格とも、介護福祉士の上位となる資格です。
上位となる資格を取得すると、自身のキャリアアップするチャンスをさらに拡大できます。介護福祉士よりも、高い給与や有名な企業に転職できる可能性が高まるため、介護福祉士を取得したあとに目指すと良いでしょう。
介護福祉士の資格を取得すると、無資格の方よりも雇用面や給与面で優遇されます。また介護事業所によっては、資格手当をもらえます。
令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果によると、介護福祉士と介護関連の資格、無資格の方で平均給与を見ていきましょう。
介護福祉士 | 363,890円 |
実務者研修 | 327,650円 |
介護職員初任者研修 | 335,210円 |
保有資格なし | 303,670円 |
参考:令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果(介護老人福祉施設 平均給与額)
介護福祉士以外にも、介護関連の資格を取得すると無資格よりも給与が高くなります。資格保有者は、キャリアアップのチャンスも増え管理職や専門職への昇進も期待できます。
仕事の幅も広がるため、介護業界でキャリアを形成するなら、介護福祉士は取得するべき資格です。
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介護福祉士の講座を資料請求(無料)日本の高齢化が進む中で、介護業界の需要はますます高まっています。厚生労働省の推計によると、2040年には高齢者人口が約3,850万人に増加するとされています。高齢者人口の増加に伴い、介護サービスの需要も高まり、介護福祉士として働く人材がさらに求められるでしょう。
また政府も「新しい生活様式」における介護のあり方や働き方改革を推進し、介護福祉士の待遇改善や、働きやすい環境の整備に取り組んでいます。
介護福祉士の給与は、令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果によると、平成31年の頃よりもおよそ2万円アップしています。
令和2年 | 363,890円 |
平成31年 | 344,360円 |
参考:令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果(介護老人福祉施設 平均給与額)
介護福祉士の給与は、平成31年よりも19,000円上昇しています。このように政府のデータを元に考察すると、介護福祉士の需要や将来性は今後も期待できるでしょう。
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介護福祉士の講座を資料請求(無料)介護福祉士の資格を保有していると、現場以外の仕事もできます。主に以下の仕事です。
・ 介護福祉士養成施設の教員
・ 福祉系高校の教員
・ 初任者研修の講師
・ 介護保険関連の事務職
・ 福祉用具の提案や販売
現場で働くことが難しくなった方でも、介護福祉士の資格を保有していると、上記のような現場以外の職場で仕事ができます。
介護福祉士をこれから取得しようか悩む方に向けて、介護福祉士が向いている人を紹介します。
・ 他人を助けることに喜びを感じる人
・ コミュニケーション能力が高い人
・ 忍耐強く柔軟性がある人
・ 精神的にも肉体的にも健康な人
・ 専門的な知識や技術を習得する意欲がある人
上記のなかで1つでも該当する人は、介護福祉士が向いています。
介護福祉士に関する以下のよくある質問に回答します。
1. 介護福祉士にしかできないことはありますか?
2. 介護福祉士は誰でも受かりますか?
3. 介護福祉士とケアマネはどっちが難しい?
4. 介護福祉士になるためにどのくらい勉強した?
5. 介護福祉士の給料はいくらですか?
基本的に介護福祉士にしかできない仕事はありません。ただし点滴の管理やインスリン注射、摘便、床ずれの処置といった医療行為は禁止されています。
介護福祉士は誰でも受かるというのは誤解です。
例年7.8割の人は合格していますが、2.3割の人は国家試験に落ちています。
2023年・2024年の試験では、80%を超える高い合格率だったため、誰でも受かると思っている人の考えになるでしょう。
試験の難易度や過去の合格率のデータなど詳しくは、『介護福祉士国家試験は簡単すぎる?合格率・難易度・これまでの推移や合格点も紹介!』にまとめてありますので参考にしてみてください。
介護福祉士とケアマネ(介護支援専門員)は、ケアマネの方が難しいです。ケアマネの合格率は10%〜20%前後なので、介護福祉士よりも難しい資格となっています。
ケアマネの試験難易度と合格率については、タップして記事をご一読ください。
介護福祉士になるために約250時間以上勉強するという意見が多いです。介護福祉士の筆記試験は毎年1月下旬なので、1日2時間から3時間勉強した場合、4ヵ月までの8月あたりから試験対策を始めた方が良いでしょう。
勤務する介護事業所によって介護福祉士の給料は異なります。厚生労働省が発表しているデータによると、363,890円(介護福祉士施設)です。
関連記事:『介護福祉士国家試験は簡単すぎる?合格率・難易度・これまでの推移や合格点も紹介!』にまとめてありますので参考にしてみてください。
今回は介護福祉士の資格取得は、意味がないのかについて紹介しました。介護福祉士の資格取得には意味があります。介護福祉士を取得すると、介護サービスの質を向上できたり、資格手当による雇用面や急用面で優遇されたりします。
介護福祉士としてプロフェッショナルを目指すのであれば、必要不可欠な資格です。また介護福祉士を取得すると、介護現場以外の仕事もできます。仕事の幅やキャリアアップのためにも、取得しておいて損はしません。
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