「介護福祉士の受験資格を調べたけど、自分はどれに該当するかわからない」という方もいるでしょう。私も介護福祉士国家試験を受験する際に、受験ルートで混乱した1人です。
そこで今回は、9年間介護福祉士として働いた私が、介護福祉士の受験資格について解説します。記事の後半では、介護福祉士の資格を取得するメリットついても紹介しています。ぜひ最後までご一読ください。
また以下の記事では、介護福祉士とはどのような資格なのか紹介しています。本記事と合わせてご一読ください。
関連記事:『介護福祉士とは?資格概要・取得メリット・取得方法も紹介』
介護福祉士の資格は、介護福祉士国家試験に合格しないと取得できません。平成29年までは、実務経験3年を満たしていると、実務経験ルートで受験できました。しかし法改正以降は、実務経験3年以上+実務者研修の受講が条件として追加されています。
法改正以降、介護福祉士国家試験の受験資格は以下のルートに分けられています。
・ 養成施設ルート
・ 実務経験ルート
・ 福祉系高校ルート
・ 経済連携協定(EPA)ルート
それぞれのルートについて紹介します。
参照:養成施設ルート
養成施設ルートとは、介護の専門的な知識や技術を身につけてから、国家試験を受験するルートです。文部科学大臣および厚生労働大臣の指定した学校または、都道府県知事の指定した養成施設を卒業すると受験可能となります。
以下の施設を卒業している方は、介護福祉士の実技試験は免除されます。
・ 介護福祉士養成施設(2年以上) ・ 福祉系大学等 ・ 社会福祉士養成施設等 ・ 保育士養成施設等
法改正以前は、養成施設を卒業すると介護福祉士の資格は取得できました。しかし法改正以降は、養成施設を卒業しても筆記試験を受けないといけません。筆記試験に合格すれば、実技試験を受けず資格取得となります。
不合格となった場合でも、卒業から5年間は介護福祉士となる資格を有するものとして、経過措置が設けられます。卒業後は、実務経験を5年間継続勤務に限り満たすか、筆記試験に合格すると資格取得となります。
実務経験ルートとは、介護現場で働きながら経験を積み、介護福祉士の資格を取得する方法です。法改正までは、実務経験3年以上あれば受験可能でした。しかし法改正後は、実務経験3年以上+実務者研修の受講が条件になっています。
実務経験3年以上とは、従事期間3年以上(1095日以上)かつ、従事日数540日以上を満たした方です。つまり介護に関わる事業所に3年以上在籍し、540日以上勤務しなければ受験できません。
実務経験ルートについて詳細を知りたい方は、以下の記事をご一読ください。
関連記事:『介護福祉士 実務経験ルート 〜働きながら介護福祉士を目指すには?〜』
また実務者研修の詳細もあわせて知りたい方は、以下の記事を参考にすると良いでしょう。
関連記事:『実務者研修とは?資格取得方法と合格率などを紹介』
福祉高校系ルートは、高校卒業後に介護福祉士国家試験を受験するためのルートです。定められた単位数を取得して卒業すると、介護福祉士国家試験に受験できます。
特例高校に通っていた場合、実務経験9ヶ月以上かつ従事日数135日以上を満たせば受験可能です。その後、筆記試験に合格すれば資格取得となります。
福祉系高校ルートでの受験資格については、以下の記事でも詳しく解説しているのでご一読ください。
関連記事:『福祉系高校ルートで介護福祉士資格を取得するには』
経済連携協定(EPA)ルートは、日本の介護施設で就労と研修をしながら、日本の介護福祉士国家試験の受験資格を目指すルートです。インドネシアやフィリピン、ベトナムの3ヵ国が対象です。
EPA介護福祉士候補者は、実務経験3年以上満たすと、介護福祉士国家試験への受験が認められます。筆記試験は必ず受けますが、介護技術講習または介護過程、介護課程Ⅲ、実務者研修を受講し修了していれば実技試験が免除されます。
経済連携協定(EPA)ルートに関する詳細は、以下の記事をご一読ください。
関連記事:『EPA介護福祉士候補者とは』
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介護福祉士の講座を資料請求(無料)これから介護福祉士の受験資格を取得するなら、実務者研修を受講し修了を目指すと良いです。実務者研修について解説し、修了後どのくらいの実務経験が必要なのか紹介します。
実務者研修とは、実務経験ルートで介護福祉士国家試験の受験資格を得るために、受講が定められている研修です。試験を受験するためでなく、介護サービスの質を高めるために、知識と技術の習得を目的にしています。
受講時間は実務者研修認定ガイドラインにより、無資格の方は6ヶ月間(450時間)と定められています。また受講時間は、介護関連の資格を保有していると免除され短縮できます。
無資格の方が、受講する科目と時間は以下の通りです。
教育内容 | 実務者研修時間 |
---|---|
人間の尊厳と自立 | 5時間 |
社会の理解Ⅰ | 5時間 |
社会の理解Ⅱ | 30時間 |
介護の基本Ⅰ | 10時間 |
介護の基本Ⅱ | 20時間 |
コミュニケーション技術 | 20時間 |
生活支援技術Ⅰ | 20時間 |
生活支援技術Ⅱ | 30時間 |
介護過程Ⅰ | 20時間 |
介護過程Ⅱ | 25時間 |
介護過程Ⅲ | 45時間 |
発達と老化の理解Ⅰ | 10時間 |
発達と老化の理解Ⅱ | 20時間 |
認知症の理解Ⅰ | 10時間 |
認知症の理解Ⅱ | 20時間 |
障害の理解Ⅰ | 10時間 |
障害の理解Ⅱ | 20時間 |
こころとからだのしくみⅠ | 20時間 |
こころとからだのしくみⅡ | 60時間 |
医療的ケア | 50時間(※) |
※「医療的ケア」は講義50時間とは別に演習を修了する必要がある
参照:厚生労働省 | 実務者認定ガイドライン
実務者研修を修了しても、介護福祉士国家試験をすぐに受験はできません。修了後は、実務経験3年以上かつ従事日数540日以上を満たす必要があります。
従事日数とは、介護に関わる事業所で働いていた期間です。勤務時間や業務内容は指定されていません。1日の業務の中で介護業務を行っていれば、従事日数にカウントされます。
出張や研修といった業務は介護業務に該当しないため、カウントはされません。また1日に複数の介護事業所を掛け持ちしていた(している)場合でも、従事日数は1日としてカウントされます。
自分がどのくらい働いているのか、正確な数字がわからない方は「公益財団法人 社会福祉振興・試験センター」のページにある「従業期間計算表」を活用して計算しましょう。
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介護福祉士の講座を資料請求(無料)介護福祉士国家試験を受験するには、申込受付期間内に手続きが必要です。毎年8月中旬から9月上旬が申込期間となっています。申込期限は厳守なので、期日に余裕をもって手続きしましょう。
申込方法は郵送とインターネットの2つです。ただしインターネットの申込は、初めて受験する方は利用できません。再受験する方が対象となるので注意しましょう。
初めて受験する方は、郵送で申込します。毎年7月上旬になると、受験の手引きを請求できます。受験の手引きに記載されている内容を確認し、早めに申込ましょう。
介護福祉士を取得するメリットは以下の2つです。
それぞれの内容を紹介します。
無資格で勤務するよりも、介護福祉士を保有していると給料面や待遇が良くなります。厚生労働省が発表している、令和3年度の介護福祉士と介護職員の月収をまとめました。
介護福祉士 | 334,510円 |
介護職員 | 187,180円 |
表を見ると、無資格と資格保有者でおよそ14万円ほどの差があります。介護福祉士を取得している職員が多い事業所には、加算が受けられるため給料面で他の事業所よりも有利になるからです。介護職員として長く働くなら、介護福祉士の資格を取得すると良いです。
介護福祉士を取得すると、サービス提供責任者や生活相談員、介護主任といった役職を担当できます。介護福祉士は介護の現場において、プロフェッショナルに位置づけられています。
就職や転職時も即戦力として期待されるため有利です。キャリアアップはもちろん、職業選択の幅を広げたい方にもおすすめです。
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介護福祉士の講座を資料請求(無料)介護福祉士を目指す方を対象に、受験資格を得る方法を5つに分けて紹介します。
自分が該当する取得方法を参考にしてください。
中学生が介護福祉士になるには、福祉系高校ルートがおすすめです。定められた単位数を取得して卒業すると、介護福祉士国家試験を受験できます。日本全国にある高等学校で、福祉科を設けている学校は厚生労働省のページで公開されています。
ページを参照したうえで、希望する高校があれば受験すると良いでしょう。
関連記事:『中卒から介護福祉士になるには』
高校生が介護福祉士になるには、養成施設ルートがおすすめです。養成施設ルートは、介護に必要な知識や技術を学べます。介護福祉士養成施設は日本全国に487校あります。
どのような学校があるのかは、厚生労働省が掲載しているPDFファイルで閲覧可能です。養成施設ルートに通いたい高校生は、チェックすると良いでしょう。
大学生が介護福祉士になるには、実務経験ルートがおすすめです。先に実務者研修を修了しておくと、実務経験3年以上満たせば介護福祉士国家試験を受験できます。
実務者研修には通学受講と通信受講の2つのコースがあるため、自分に合う受講方法を選ぶと良いでしょう。
社会人が介護福祉士になるには、実務経験ルートがおすすめです。実務者研修を受講する際は、通信講座を利用すると働きながら介護福祉士の取得を目指せます。
働きながら介護福祉士を取得したい社会人の方は、あわせて以下の記事もご一読ください。
関連記事:『実務者研修を働きながら取得はできる!期間や受講方法を解説』
看護師が介護福祉士になるには、実務経験ルートがおすすめです。介護の知識は看護の現場でも役立つため、取得を目指す方もいます。業務の幅も広がるため、職場では一目おかれる存在になるでしょう。
介護福祉士の受験資格については以上となります。介護福祉士の受験資格は、4つのルートに分かれているため、受験する条件が異なります。ほとんどの方は、実務経験ルートで介護福祉士を受験するでしょう。
自分がどのルートに該当するのか確認したうえで、介護福祉士の受験資格を得てください。
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