登録販売者の就職先別仕事内容は？登録販売者のワークスタイル

はじめに

ニーズが高まる資格の1つである登録販売者。処方箋が不要な一般的な薬を取り扱う仕事で、全国で300万人以上の方が登録販売者として働き、人々の健康をサポートしています。

新型コロナウイルスの影響から健康への意識が高まっている現在、医薬品を扱う登録販売者の重要性が高まっています。
就職先は多岐にわたり、働く場所によって仕事内容もさまざまです。

どのような働き方をしているのか、登録販売者のワークスタイルをご紹介します。登録販売者の仕事に興味がある方はぜひ参考にしてください。

登録販売者とは？

登録販売者とはどんな資格？

2009年6月の薬事法改正によって登録販売者が生まれました。

それまでは主に薬剤師が医薬品の販売を行っていましたが、店舗での薬剤師の不在や薬剤師に求められる役割の変化から医薬品を販売する専門家が求められるようになりました。そこで誕生したのが登録販売者です。

登録販売者の仕事は医薬品を販売するほかに、購入する方へ医薬品の効果や副作用などの情報を提供したり、相談に乗ったりします。

医薬品による健康被害が発生しないよう適切な情報を提供できる専門家として、都道府県が行う資格試験に合格する必要があります。

尚、学歴や実務経験などの受験資格はないため、誰でも受験できます。

主な仕事内容は？

医薬品には、医師が処方する医療用医薬品と薬局などで販売される一般用医薬品があります。一般用医薬品は取り扱いのリスクに応じて、第1類医薬品、第2類医薬品、第3類医薬品の3つに区分されます。

その中で、登録販売者は第2類医薬品と第3類医薬品の販売を行います。そして、購入者が安全に使用できるように、適切な情報を提供したり健康に関する相談に乗ったりと人々の健康をサポートする役割を担います。

医師の処方箋に基づく調剤や第1種医薬品の取り扱いは、国家資格を持つ薬剤師が担当するため、登録販売者はこれらの仕事は行えません。

就職先別に仕事内容を紹介！

登録販売者の就職先は、調剤薬局やドラッグストア、コンビニエンスストア、スーパーなどさまざまで、勤務先は全国に広がっています。職場ごとの登録販売者の仕事内容をご紹介します。

ドラッグストア

ドラッグストアでは、医薬品の販売のほかに一般的な店舗業務を行う職場があります。日用品や雑貨などの販売やレジ業務、商品の在庫や売上の管理などさまざまな業務を担当する場合があります。

雇用形態は、正社員・パート・アルバイトなどがあり、土日や祝日も開店している店舗が多いため勤務時間がシフト制の職場が多いです。中には、医薬品の販売や相談対応に専念して働ける職場もあるため、自分の働き方に合わせて求人情報で仕事内容を確認しましょう。

調剤薬局

薬剤師が働いているイメージがありますが、調剤薬局でも一般医薬品の販売を行っているため登録販売者が活躍しています。

ほかにも、薬剤師のサポートや患者の受付・会計などの接客対応、処方内容のデータ入力や計算といったパソコンを使った業務を行うことがあります。

調剤事務を担当する場合もあり、医療費の明細書であるレセプトの作成や保険請求業務などの仕事を行います。そのため、パソコンのスキルや医薬品に関する知識を活かして働くことができます。

薬の処方と調合を分離する医薬分業の流れから調剤薬局は病院の近くに開店することが多く、病院が多い都市部での求人が多い傾向です。年中無休の傾向があるドラッグストアと異なり、日曜日や祝日を定休日にしている店舗が多いため、固定休がとりやすいです。

コンビニエンスストア

近年では、医薬品を取り扱うコンビニエンスストアが増えています。ドラッグストアと同様に、医薬品の販売業務や相談対応のほかにレジ業務や商品の在庫管理などの一般的な店舗業務を行う職場があります。

また、大手コンビニエンスストアでは、処方箋がなくても購入できるOTC医薬品のデリバリーや調剤薬局・薬剤師を通じて購入した薬の24時間受け渡しサービスが行われ、医薬品を扱ったサービスが増えています。

サービスの多様化に合わせて、登録販売者の業務内容や範囲が広がることが考えられます。

そのほかの就職先

2021年8月1日に医薬品販売に関する法律が改正され、新しく参入する業界や企業が増えています。

医薬品を販売する店舗で、薬剤師または登録販売者を営業時間の半分以上常駐させる「2分の1ルール」が撤廃されたことで、医薬品を取り扱える店舗の幅が広がりました。ホームセンターやスーパーマーケット、家電量販店など登録販売者の働く場所が広がっています。

また、新型コロナウイルスの影響から非接触での医薬品を購入したいニーズや外出機会の減少からOTC医薬品のEC市場の規模が拡大しています。そのためオンラインで医薬品の相談対応や販売を行うオンラインマーケットといったサービスが誕生してきています。

そのような職場では、オンライン上でやりとりするため在宅勤務が可能になり、フレキシブルな働き方が期待できます。

登録販売者のワークスタイル

こんな働き方ができる！

就職先が全国各地

登録販売者の就職先となるドラッグストアや調剤薬局、コンビニエンスストアは全国各地に出店しています。そのため、ご自身の都合に合わせて働く場所を探すことができます。また、オンラインマーケットの登場により場所に囚われない働き方も今後さらに可能になってくると予想されます。

豊富な雇用形態

正社員、パート、アルバイトとさまざまな雇用形態があります。また、ドラッグストアやコンビニエンスストアでは勤務時間がシフト制のところも多いです。そのため、ご自身の生活スタイルに合わせて、働き方や働く時間を選択できます。

キャリアを積んで管理者要件（一定の従事期間）を満たした人は歓迎されやすいため、比較的転職活動もしやすい傾向です。

資格手当で時給アップ！

働く店舗によっては、登録販売者の資格を持っていることで、資格手当や時給アップといった福利厚生があります。勤務先によって資格手当の有無や金額が異なるため、求人内容を確認しましょう。

開業して独立！

登録販売者の知識を活かしてドラッグストアなどの開業を目指す方もいます。

ただし、現在は店舗に陳列・在庫がある製品しかインターネット販売ができないため、実店舗を持たないオンラインショップは作ることができません。尚、店舗開業には許可手続きが必要なため、開業を目指す方は各都道府県のホームページなどで確認してみてください。

働く上での注意点

いろいろな働き方ができる登録販売者ですが、働く上で注意する点があります。

登録販売者が1人で売り場に立つには

管理者となるには、次の3つの条件のいずれかを満たす必要があります。

①過去5年間のうち、
・薬剤師または登録販売者の管理・指導の下で実務を行った期間
・登録販売者として業務を行った期間
の合計が2年以上であること。
一ヶ月に80時間以上実務や業務に従事した期間が2年以上あるということです。しかし、さまざまな勤務状況が考えられるため、2年以上かつ合計1920時間以上の場合も認められます。

②2009年6月1日以降の従事期間が通算2年以上で、店舗管理者または区域管理者としての業務経験があること。
一ヶ月に80時間以上実務や業務に従事した期間が2年以上ある、もしくは2年以上かつ合計1920時間以上の場合も認められます。

③2009年6月1日以降の従事期間が通算5年以上で、必要な研修を通算5年以上受講していること。
一ヶ月に80時間以上実務や業務に従事した期間が5年以上ある、もしくは5年以上かつ合計4800時間以上の場合も認められます。尚、この条件は経過措置であるためいずれは変更する可能性があります。

いずれかの条件を満たした管理者でないと、薬剤師または登録販売者（店舗管理者などになることができる者）の管理・指導の下でないと実務が行えません。また、そのことが分かるように名札に明記する必要があります。

現在、厚生労働省が条件の従事期間「2年以上」を「1年以上」に見直すことを検討しています。変更する可能性があるため、管理者を目指す方は注意してみてください。

研修の義務

2022年4月1日の省令改正により、登録販売者は毎年度研修を受講することが義務づけられました。登録販売者の資質向上のため資格を取得した後も知識のアップデートが必要になります。

【都道府県別】登録販売者スクールを一覧で紹介！

登録販売者講座のおすすめスクールを厳選！

登録販売者講座を実施しているスクールの中でも、全国に教室を展開している定番スクールをご紹介します。
「どのスクールを選んだらよいかわからない」という方は定番スクールから選ぶのがおすすめです。
ここでは、登録販売者の定番スクールを4つご紹介します。

• 三幸医療カレッジ
• ヒューマンアカデミー/通信講座『たのまな』
• 資格のキャリカレ
• ユーキャン
• スクールを比較して講座を選びましょう！

三幸医療カレッジ

出典：https://www.35189.jp/

「三幸医療カレッジ」は、医療・福祉系専門学校を全国に展開する「学校法人三幸学園」の社会人向けスクールです。
登録販売者試験対策講座に特化しており、82％という高い合格率（令和1年度登録販売者試験）を誇っています。

「登録販売者受験対策講座」は通学コースと通信コースがあり、全国どこからでも受講可能です。
さらに「直前対策セミナー」もあり、実際の試験を意識した実践的な対策を習得できます。

三幸医療カレッジには、「就職支援部」があり、お仕事の紹介や就職活動、就業中のフォローといったサポートを受けられるのも魅力ですね。

ヒューマンアカデミー/通信講座『たのまな』

出典：https://www.tanomana.com/

ヒューマンアカデミー『たのまな』は、資格の総合スクール『ヒューマンアカデミー』の通信講座です。
長年の通学講座の経験とノウハウを活かして作られた、自主学習でもわかりやすい教材とカリキュラムが『たのまな』の魅力です。

ヒューマンアカデミー『たのまな』の「登録販売者合格総合講座」は、最短3ヶ月の学習期間でも無理なく合格を目指せるプログラム。
短期集中ですぐに資格を取得したい方におすすめです。

また、1年6ヶ月の受講期間が設けられているので、ゆっくり時間をかけて資格を取得したい方でも安心。
eラーニングは約10分のショート動画で構成されているので、忙しい方でもスキマ時間に学習を進めることができます。

資格のキャリカレ

出典：https://www.c-c-j.com/

資格のキャリカレは、株式会社キャリアカレッジジャパンが運営する通信講座専門スクールです。

資格のキャリカレはサポートが手厚いのが特徴です。
資格試験に合格できなければ受講料を全額返金。
そして、なんと合格できれば2講座目を無料で受けられます。
最大12ヶ月間の無料サポートがついているので忙しい方でも安心。
さらには専属のスタッフから就職・転職のサポートまで受けられます。

「登録販売者講座」のテキストは、登録販売者試験に関連する数々の書籍を出版している團野浩氏の監修で、短期間でもしっかりと実力がつくカリキュラムです。

ユーキャン

出典：https://www.u-can.co.jp/

ユーキャンは、60年以上にわたって、幅広いジャンルの資格講座を開講している会社です。

ユーキャンはサポートが手厚いのが特徴です。
提出した課題に対し、専属の講師が細かい添削をしてくれるため、苦手の発見に役立つでしょう。
また、質問にも専任講師が回答してくれるので、通信講座の不安を軽減できます。

60年の通信講座のノウハウを活かした分かりやすいテキストも魅力。
「登録販売者講座」では、スマートフォンやタブレットから学習できるデジタルテキストが配布されるので、スキマ時間に自分のペースで学べます。

スクールを比較して講座を選びましょう！

スクール選びは費用や通いやすさで決めてしまいがちです。
しかし、働きながらや家事・育児をしながら資格取得を目指す人は、受講期間や振替制度などのサポート制度が充実しているかも重要なポイントになります。

登録販売者試験の日程は都道府県によって異なりますが、早いところでは8月に実施されます。
短期の講座でも3カ月はかかりますので、受験日から逆算して受講し始められるようにしましょう。

上記で紹介したスクールは、下記のリンクからからまとめて無料で資料請求できますので活用してみてください。

まとめ

さまざまなワークスタイルがある登録販売者は、ご自身の生活に合わせてバランスよく働くことが可能です。一方で、人々の健康をサポートする役割を担うため、資格取得後も知識の研さんが求められる仕事でもあります。

人々の健康への意識が高まる現在、今後も注目される職業といえます。興味を持った方はぜひ資格取得にチャレンジしてみてください。

監修者について

石川 達也（いしかわ たつや）

埼玉県生まれ。
日本統合医療学園 教務部長
東京医療秘書福祉専門学校 講師
大宮医療秘書専門学校 講師
日本ウェルネス保育専門学校 講師
三幸医療カレッジ 講師

保有資格

• 登録販売者

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