特定一般教育訓練給付金とは?給付の条件や申請方法を解説します!

特定一般教育訓練給付金とは?給付の条件や申請方法を解説します!

更新日: 2024/10/11

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はじめに

キャリアアップやあたらしい技能を身に着けて再就職をしようとする人を支援するため、国や地方自治体は様々な補助金や給付金制度を用意しています。
教育訓練給付制度』は国の給付金制度の一つです。本ページでは『教育訓練給付制度』の中でも『特定一般教育訓練給付金』について詳しく解説していきます。

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特定一般教育訓練給付金とはどんな制度?

家計簿とお金

『特定一般教育訓練給付金』は国が実施する3つの教育訓練給付金制度の中のひとつです。他に『専門実践教育訓練給付金』と『一般教育訓練給付金』があります。

教育訓練給付金制度は、キャリアアップによる雇用の安定や再就職の支援のための制度です。一定期間以上雇用保険に加入している(していた)方が、国の指定を受けた教育訓練機関での職業訓練や資格取得のための予備校、通信講座を受けた場合に、その費用の一部を国から支給してもらえるというものです。

なかでも『特定一般教育訓練給付金』は速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練を対象としており、ほかの二つと比べても給付の対象が、より再就職しやすい高度な資格取得のための講座や職業訓練に限定されています。

対象講座は厚生労働省のホームページからご確認いただけます。
>> 厚生労働省『教育訓練給付制度』

給付の対象者・条件は?

ジョブ・カードが必要

特定一般教育訓練給付金は自ら教育訓練や資格取得の講座のために支払った費用を、講座が終了した後申請をして給付してもらう制度です。
しかし、給付金を受給するためには、講座の受講開始の2週間前(※)までに、訓練前キャリアコンサルティングを受け、 ジョブ・カードを作成し、ハローワークにおいて受給資格確認を行うことが必要となります。
(※)以前は1ヶ月前まででしたが、2024年4月から期限が緩和されました。

ジョブ・カードとは職歴や学習歴、職業訓練の経験、免許・資格などをまとめた、履歴書・職務経歴書をさらに詳しくしたような書類です。訓練前キャリアコンサルティングでは、事前に自分で作成したジョブ・カードをもとに、相談員からのアドバイスをうけてジョブ・カードを完成させます。
訓練前キャリアコンサルティングは各ハローワーク内で行われていますので、ハローワーク窓口にご相談ください。

支給の条件

支給の対象となるのは厚生労働大臣の指定を受けた講座を、自ら受講料を負担し修了した方で、なおかつ次の@またはAに当てはまる方です。

@ 雇用保険の被保険者
・受講開始日までの雇用保険の被保険者期間が3年以上(初回の受給の場合は1年以上)ある方
・平成26年10月1日以降、教育訓練給付金を受給した場合は、前回の教育 訓練給付金受給日から受講開始日前までに3年以上経過している方
A 雇用保険の被保険者であった方(失業中)
・被保険者資 格を喪失した日以降、受講開始日までが1年以内
・雇用保険の被保険者期間が3年以上(初回の受給の場合は1年以上)あった方
・平成26年10月1日以降、教育訓練給付金を受給した場合は、前回の教育訓練給付金受給日から受講開始日前までに3年以上経過している方

ここでの受講開始日とは、通学制の場合教育訓練の所定の開講日、通信制の場合は教材等の発送日です。受給資格に関わる重要な日付ですので、事前にしっかりと確認し余裕をもって受講の申し込みをするようにしましょう。

給付額は?

電卓とお金

受講費用の50%

特定一般教育訓練給付金の給付額は、教育訓練経費の最大50%(年間上限25万円)とされています。
ただし、4千円以下の場合は支給されません。

以前は最大40%でしたが、2024年(令和6年)10月1日から給付率が引き上げられました。
前述の【支給の条件】を満たす場合は教育訓練経費の40%(年間上限20万円)、さらに受講修了日から1年以内に資格を取得・就職した場合に、教育訓練経費の10%(年間上限5万円)が追加で支給されます。

教育訓練経費の対象となるのは入学金と受講料のみで、資格試験の受験費や講座までの交通費、補助教材費などには支給されません。
また、各種割引制度などを利用した場合は、割引後の料金が適用されます。

申請方法は?

受講開始前に必要な書類

受講開始前には先に記した通り、訓練前キャリアコンサルティングを受け、 ジョブ・カードを作成した後、以下の書類をハローワークに提出する必要があります。これらは、受講の2週間前までに済ませなければなりません。

@教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票
Aジョブ・カード(訓練前キャリアコンサルティングでの発行から1年以内のもの)
B本人・住所確認書類
・マイナンバーカード、運転免許証、住民基本台帳カード(写真付き)のうち1つ
・ない場合は住民票記載事項証明書、国民健康保険証、官公署から発行された身分証明書または資格証明書のうち2つ
C個人番号(マイナンバー)確認書類
マイナンバーカード、運転免許証、官公署が発行する身分証明書・写真付き資格証明書など(コピー不可)
D振込希望金融機関の通帳またはキャッシュカード
E専門実践教育訓練給付金および特定一般教育訓練給付再受給時報告
※過去に専門実践教育訓練給付金および特定一般教育訓練給付を受給したことがある場合に必要

また、手続きは原則ハローワークの窓口で行います。やむを得ず郵送や代理人を立てて手続きをする場合は、窓口へ来られない理由を証明するための証明書や委任状も必要となります。

支給申請時に必要な書類

事前の手続きを済ませ、指定の口座を修了したらハローワークへ支給の申請をします。
申請時に必要な書類は以下の通りです。

@受給資格確認通知書(受給資格確認時にハローワークでお渡しします)
A教育訓練給付金支給申請書
教育訓練の受講中と受講終了後、指定教育訓練実施者が用紙を配布します。
B教育訓練修了証明書
指定教育訓練実施者が、その施設の修了認定基準に基づいて修了を認定した際に発行します。
C特定一般教育訓練実施者が発行する教育訓練費に関する領収書
指定教育訓練実施者が、受講者本人が支払った教育訓練経費について発行します。なお、クレジットカードによる支払いの場合は、クレジット契約証明書(または必要事項が付記されたクレジット伝票)が発行されます。
D本人・住所確認書類
・マイナンバーカード、運転免許証、住民基本台帳カード(写真付き)のうち1つ
・ない場合は住民票記載事項証明書、国民健康保険証、官公署から発行された身分証明書または資格証明書のうち2つ
E個人番号(マイナンバー)確認書類
マイナンバーカード、運転免許証、官公署が発行する身分証明書・写真付き資格証明書など(コピー不可)
F特定一般教育訓練実施者が発行する返還金明細書
「領収書」「クレジット契約証明書」が発行された後で教育訓練経費の一部が指定教育訓練実施者から本人へ還付された場合に指定教育訓練実施者から発行されます。
G教育訓練経費等確認書
H特定一般教育訓練給付受給時報告書

領収書などは申請時に必要となりますので、しっかりと保管しておきましょう。
また、支給申請時も講座開始前の申請と同様、原則ハローワークの窓口で手続きしなくてはなりません。やむを得ず郵送や代理人を立てて手続きをする場合は、窓口へ来られない理由を証明するための証明書や委任状が必要となります。

介護の分野にも対象講座がある!

折り紙を折る高齢女性と女性介護士

特定一般教育訓練の指定講座は、速やかな再就職と早期のキャリア形成に役立つ教育訓練とされています。そのなかには実務者研修や介護職員初任者研修、介護福祉士試験の試験対策講座なども含まれています。また、2021年10月の新規講座の指定では業務独占資格等の取得を目標とする課程を拡充させる狙いから介護職員初任者研修が多く追加されるなど、介護系の資格取得への支援を受けやすくなっています。

以下、『特定一般教育訓練の対象となる講座』をまとめましたのでご紹介します。
※2021年11月9日時点

▼特定一般教育訓練指定講座が受講できる施設の一例

施設名 講座名 資料請求
ケア・クリエイト 介護職員初任者研修
介護職員初任者研修(1ヶ月短期)
[資料請求]
藤仁館医療福祉カレッジ 介護職員初任者研修
介護福祉士1次国家試験受験対策講座
[資料請求]
[資料請求]
資格の大原 介護職員初任者研修 [資料請求]
湘南国際アカデミー 介護職員初任者研修修了通信課程 [資料請求]
サンシャイン総合学園 介護職員初任者研修(通信1ヶ月)
介護職員初任者研修(通信3ヶ月)
[資料請求]
帯広高齢者支援協会介護員養成教室 介護職員初任者研修週3日コース [資料請求]

※特定一般教育訓練指定講座の詳細に関しましては直接スクールにお問い合わせください

まとめ

特定一般教育訓練給付金は、3年以上雇用保険に加入している(していた)人を対象に、対象者が負担した教育訓練経費の最大50%(年間上限25万円)を支給してもらえる給付金制度です。支給を受けるためには講座開始の2週間前から申込が必要ですので注意しましょう。
特定一般教育訓練給付金を利用して、介護職員初任者研修や介護福祉士の試験対策をお得に実践してみてはいかがでしょうか。

ほかにも、ひとり親家庭の就労を支援する「自立支援教育訓練給付金」などがありますので、条件に当てはまる方は利用を検討してみるのもいいかもしれませんね。

監修者について

藤井寿和

藤井  寿和 Hisakazu Fujii

静岡県西伊豆生まれ。
●合同会社福祉クリエーションジャパン 代表
●介護施設 現場支援コンサルタント
●一般社団法人 日本アクティブコミュニティ協会  公認講師
●介護情報誌「TOWN介護Tokyo」  編集長
●NPO 16歳の仕事塾  社会人講師
●株式会社 是眞  編集長

【保有資格】
●介護福祉士
●ホームヘルパー1級・2級
●レクリエーション介護士1級・2級
●社会福祉主事任用資格
●福祉用具専門相談員
●介護予防運動指導員
●音楽健康福祉士
●音楽レクリエーション指導士3級
●防火管理者
●大型自動車1種免許

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