ホームヘルパーとは?仕事内容や必要な資格、働き方、給料などについて解説します!?

ホームヘルパーとは?仕事内容や必要な資格、働き方、給料などについて解説します!

更新日: 2023/12/12

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はじめに

ホームヘルパーは「訪問介護員」とも呼ばれ、利用者の自宅に訪問して介護サービスを提供します。
以前は「ホームヘルパー」という資格がありましたが、現在は「初任者研修」などに置き換わっています。

ここではホームヘルパーの仕事内容や必要な資格、働き方、給料などについて詳しく解説していきます。

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ホームヘルパーとは?

自宅で介護する介護士

自宅に訪問して介護サービスを提供する介護士

ホームヘルパー(通称:ヘルパー)」は、正式名称は「訪問介護員」といい、その名の通り利用者の方の自宅に訪問して介護サービスを提供する介護スタッフのことを指します。
「介護事業所」に所属し、ケアマネジャーの立てた介護計画(ケアプラン)を基に介護業務にあたります。

ホームヘルパーの仕事の一部には、利用者さんの身の回りの掃除・洗濯や買い物の代行なども含まれるため、家政婦さんやお手伝いさんと混同されることもあります。しかし、ホームヘルパーの仕事は利用者の方の身の回りに限定されているため、利用者の方以外の家族の食事を作ったり、家の中全体の掃除や庭の草むしりをするなどは業務内容に含まれていません。
また、利用者さんの身の回りのお世話をする際も、ホームヘルパーがすべてやってしまうのではなく、あくまでも利用者さんのサポートをしてご自身の自立を促すのが理想的なホームヘルパーのあり方と考えられています。

介護士とヘルパーの違いは?

「介護士」と「ヘルパー」はどちらも「介護の業務にあたる人の総称」であり、明確な違いはありません。どちらも資格名や正式な業種名でもないため、介護の仕事をしている方であればどちらも名乗ることができます。
ただ、老人ホームやデイサービスなどの介護施設で勤務する介護従事者を「介護士」、訪問介護員として働く方を「ヘルパー」と呼ぶことが多いようです。

訪問入浴との違いは?

訪問入浴とは、入浴に特化した介護サービスです。寝たきりなどの理由で、自宅の浴槽で入浴するのが難しい利用者の方に対して、専用の浴槽を自宅に持ち込み入浴の介護を行うサービスです。介護職員2名と看護師1名の3名で行うのが一般的です。
一方、訪問介護にも入浴の介助がありますが、こちらは基本的に1名で、自宅の浴槽に入っていただきます。業務内容としても入浴のサポートや見守りが主となります。

ホームヘルパーの仕事内容は?

身体介護

ホームヘルパーの仕事は大きく2つに分けられます。そのうちのひとつが、利用者の方の体に直接触れる身体介護」です。
身体介護の具体的な内容としては食事や排せつ、入浴、着替えの介助などです。

身体介護は利用者の方に直接触れるため、専門的な介護の知識やスキルが必要で、訪問介護においては「介護職員初任者研修」以上の介護資格を有する者でなければ行うことができません。

初任者研修について詳しく知りたい方は『初任者研修の情報|初任者研修ってどんな資格?』のページをご覧下さい。無料で資料請求もできます。

生活援助

ホームヘルパーの仕事のもう一つは、利用者の方の身の回りのお世話をする生活援助」です。具体的には食事を調理したり、掃除や片付け、買い物の代行などが該当します。
生活援助は利用者の方の身の回りに限定されているため、同居家族の人数分の食事を用意したり、家の大掃除をしたりなど、大がかりな家事は支援外になります。

その他

ホームヘルパーの仕事は、基本的には居宅にて行うものですが、利用者の方が通院する際の運転や車の乗り降りの介助、受付のサポートなどをする場合もあります。
他にも日用品の買い物やデイサービスの見学など日常生活上の必要性が認められる外出については付き添うことがあります。

ホームヘルパーに必要な資格は?

高齢者を迎える女性介護士

「ホームヘルパー」資格は廃止された

以前は「ホームヘルパー1級・2級・3級」といった資格がありましたが、2013年に廃止されました。
廃止になった理由としては、「ホームヘルパー養成研修」「介護職員基礎研修」「介護福祉士」などさまざまな資格や研修が存在しており、キャリアパスが複雑でわかりにくいものであったことが挙げられます。
2013年の介護資格制度の改革では入門的資格として「ホームヘルパー2級」が「介護職員初任者研修」に、応用資格として「ホームヘルパー1級」と「介護職員基礎研修」が統一され「介護福祉士実務者研修」となりました。これによって「介護福祉士」へ挑戦するためのルートが分かりやすくなりました。
ホームヘルパー廃止の経緯や、ホームヘルパー2級と初任者研修の違いなどをもっと詳しく知りたい方は、下記ページで詳しくまとめていますので参考にしてみてください。
関連記事:『「ホームヘルパー2級」と「初任者研修」の違いとは?変わった点や影響について解説!

現在は「初任者研修」の資格が必要

現在は「身体介護」を行う際には「初任者研修」以上の介護の資格が必要となりました。特にホームヘルパーは、基本的に一人で利用者の方のお宅を訪問しますので、一人でも一通りの介護を行えるように、「初任者研修」以上の介護の資格が必須といえるでしょう。
これからホームヘルパーとして働きたい方は、まずは初任者研修に挑戦してみましょう。
※過去に「ホームヘルパー2級」を取得している方は、初任者研修と同等の資格として扱われるため、今後もホームヘルパーとして仕事をすることが可能です。

ホームヘルパーの働き方

ホームヘルパーの勤務スケジュール

一般的な訪問介護事業所は8〜19時といった日中に営業しています。利用者の方を訪問する時間もあらかじめ決まっているので残業も少なく、働きやすい職場が多いようです。
ここでは、正社員として8時間勤務する場合の一日のスケジュールの例をご紹介します。

時間 仕事内容
9:00 事務所に出勤。
一日のスケジュールを確認。訪問する利用者の情報を確認。準備。
9:40 1件目のお宅へ移動
10:00 1件目:身体介護+生活援助を提供(1時間)
デイサービスの準備・送り出し、着替えの介助、服薬・目薬介助、水分補給、台所片付けなど
11:00 2件目のお宅へ移動
11:15 2件目:生活援助を提供(45分)
昼食の準備、水分補給、服薬・目薬介助など
12:00 昼休憩(1時間)
13:15 3件目:身体介護+生活援助を提供(1時間30分)
入浴介助、浴室掃除、バイタルチェック、着替えの介助、昼食準備、服薬介助、水分補給など
14:45 4件目のお宅へ移動
14:55 4件目:身体介護を提供(45分)
トイレ介助、陰臀部の洗浄、清拭、ベッドから車いすへ移動しトイレへ、水分補給など
15:40 5件目のお宅へ移動
15:55 5件目:生活援助を提供(1時間)
トイレへの誘導(声掛け)、清拭・着替え、夕食作り、服薬介助、水分補給など
17:00 事務所へ戻る
17:20 帰社
一日の報告や情報共有。次回のスケジュールの確認。
18:00 退勤

登録ヘルパーとして時短で働ける!

ホームヘルパーは正社員やパートといった働き方の他に「登録ヘルパー」という働き方ができます。
登録ヘルパーは1件単位で仕事をすることができるので、自分のライフスタイルに合わせた働き方ができ、子育て中のお母さんや副業としてホームヘルパーになりたい方などにおすすめです。
給料は時給制で、担当する案件が「身体介護を含む」のか、「生活援助のみ」なのかによって変動します。
自由な働き方ができる登録ヘルパーですが、移動時間は時給に含まれないというデメリットもありますので注意が必要です。

平均年齢が高く、長く働ける

介護労働安定センターの調べによると、ホームヘルパーの平均年齢は54.3歳とされています。さらに60歳以上の構成割合はおよそ4割います。
最近では高齢になってから介護の仕事に興味を持った方でも働きやすいように、職場環境や雇用条件を整えている事業所もあります。
また、介護資格は年齢による制限がありませんので、何歳からでも挑戦できますし、キャリアパスが整備されていますので、初任者研修から着実に資格を取っていくことで何歳からでもキャリアアップできます。
ホームヘルパーは高齢になっても長く働ける職場だといえるでしょう。

ホームヘルパーの給料はどれくらい?

電卓とお金

常勤の場合

正社員として働くホームヘルパーの平均月収は約25万円ほどです。
これに賞与を合わせて、平均年収は330万円前後とされています。
日本の平均年収が約430万円ほどとされていますので、それと比べると低い傾向にあります。

夜勤などもある介護施設と比べると安いですが、通所施設(デイサービス)と比べると若干高く、介護業界の平均とほぼ同じような水準にあります。

非常勤(登録ヘルパー)の場合

登録ヘルパーの場合は時給制が多く、業務内容によっても変動します。身体介護の場合は時給1500〜2000円生活援助の場合は時給1000〜1500円ほどが相場のようです。
登録ヘルパーの仕事は、1件(30分や1時間)単位で仕事を受けることができるため、仕事を受ければ受けるほど収入がアップします。仮に1日5件、週5日勤務の場合、月20万円ほど稼ぐことができます。

資格取得で給料アップ!

ホームヘルパーとして給料アップをしたいと考えている方は、介護資格に挑戦してみましょう。資格を取ることで、基本給が上がったり、資格手当で収入アップが見込めます。資格手当は初任者研修で2000〜5000円実務者研修で5000〜8000円介護福祉士では1万円〜1.5万円ほどが一般的です。

また、実務者研修を取得してサービス提供責任者になったり、介護福祉士を取得して管理者になるなど役職が付くことで、大幅な給料アップも期待できます。
これからホームヘルパーとして仕事をしようと考えている方は、まずは初任者研修を受けてみることをおすすめします!

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