社会福祉士の実習は必須?実習内容や実習免除の条件についても解説!

社会福祉士の実習は必須?実習内容や実習免除の条件についても解説!

更新日: 2024/03/05

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はじめに

社会福祉士国家試験の受験資格を得るためには、実習の履修が必要です。
この記事では、社会福祉士の実習について内容や実習免除の条件などを解説していきます。
これから実習を控えている方はもちろん、「実習では何をするの?」など、社会福祉士の勉強に興味のある方もぜひお読みください。

【この記事のまとめ】

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社会福祉士の実習とは

病院の廊下

社会福祉士になるためには必須

社会福祉士の仕事は、病気や障害、貧困など、さまざまな事情によって生活上の困難を抱える人々の相談にのり、解決に向けてサポートすることです。
社会福祉士国家試験を受けて合格をすると、社会福祉士として働けるようになります。

試験を受けるためには一定の受験資格を満たす必要がありますが、社会福祉士実習の履修は必須条件のひとつです。
実習は、社会福祉士の指定科目が履修できる福祉系の大学や、一般養成施設、短期養成施設のカリキュラムに含まれています。

実習の種類と目的

社会福祉士の実習には、「ソーシャルワーク実習指導」と「ソーシャルワーク実習」の2種類があります。
国家試験の受験資格を満たすには両方の履修が必要です。

ソーシャルワーク実習指導は、ソーシャルワーク実習に向けて、実習の必要性や心構え、また、今まで学んできた知識や技術などを実習と関連づけて学ぶための科目です。
さらに、実習が終わった後にも振り返りの授業が行われます。
これは、実習を経て今の自分に足りない部分に気付き、これからの学びに活かそうという目的で行われるものです。

一方、ソーシャルワーク実習とは、福祉サービスを行う現場に実際に立ち、ソーシャルワークの実践能力を身につける実習です。
大学や養成施設で学習してきた知識や技術を、実際の福祉現場でどのように活かしていくのかを、実践を通して考える機会となります。
現役の社会福祉士の仕事を近くで見て、福祉サービスの利用者に対する関わり方を学ぶ、という目的もあります。

社会福祉士の役割や仕事内容について詳しくは『社会福祉士に求められる役割とは?職場による違いについて解説!』にまとめていますので、参考にしてみてください。

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実習にかかる時間

合計330時間以上の実習が必要

社会福祉士の実習に必要な時間は、厚生労働書によって以下のように定められています。

  • ソーシャルワーク実習指導:90時間以上
  • ソーシャルワーク実習:240時間以上

ソーシャルワーク実習指導と実習とを合わせると、330時間以上かかる計算になります。

ソーシャルワーク実習に関しては、「異なる機能を持つ2ヶ所以上の施設」で実習を行わなければなりません。
また、基本的には、「1つの施設では180時間以上の実習を行うこと」という条件もあります。
例えば、特別養護老人ホームで180時間以上、かつ、児童相談所で60時間以上、といった具合です。

社会人は仕事を休まなければならないことも

ソーシャルワーク実習の期間中、実習生は実際の福祉施設に配属されます。
前述通り、現場での実習時間は240時間以上必要です。 1日あたり8時間として、トータルで1ヶ月以上の期間は見ておかなければならないでしょう。

2023年の時点では、土日のみや夜間のみの実習は行われていません
昼間にフルタイムで働いている社会人は、実習のために一定期間仕事を休まなければならないため、難しい面もあります。

勤務先が福祉関係の職場であれば、実習のために休むことについてスムーズに理解してもらえるケースもあるようです。
しかし、そうでない場合には、「事前に会社側とよく話し合って理解を得る」「有給休暇の使用が可能か確認しておく」などの対応が必要でしょう。

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2021年度から新カリキュラムが導入

実習名の呼び方が変わり、時間数が拡充

以前は、ソーシャルワーク実習指導は「相談援助実習指導」ソーシャルワーク実習は「相談援助実習」と呼ばれていました。
2021年度の入学者(大学、短期大学)から社会福祉士養成課程のカリキュラムが変わり、実習名の呼び方も変更されました。
尚、カリキュラムの変更時期は、学校や養成施設によって異なります。

旧カリキュラムでは、現場での実習(相談援助実習)に必要な時間は180時間以上で、実習場所も1つの施設でOKでした。

現在のカリキュラム(240時間・2施設以上)に変更された背景には、福祉に関する多様な地域ニーズを把握するためや、さまざまな機関や職業の人との連携を学ぶ時間を確保するため、などの理由が挙げられます。

新カリキュラムの設定にあたっては、現場実習の時間数が拡充された他、各種科目の新設や再構築、共通科目の拡充など、さまざまな見直しも行われました。
2024年度より、社会福祉士国家試験も新カリキュラムに沿ったものに変更されることが発表されています。
これから受験を目指す方は、新カリキュラムに対応した学習が必要ですので注意しましょう。

2ヶ所で実習することのメリット

上でも述べた通り、新カリキュラムにおけるソーシャルワーク実習では、2ヶ所以上の福祉施設での実習が必要です。
これには、視点や考え方の異なる複数の実習指導者から学べるというメリットがあります。
実習者にとっては、ソーシャルワーク業務について多角的に勉強できるチャンスなのです。

尚、ソーシャルワーク実習は、4年制の大学では2年次と3年次、または3年次と4年次など、2回に分けて行われることがほとんどです。
実施時期は学校や学部、通学スタイル(通学か通信か)などによって異なります。

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実習先の種類

老人ホームの車椅子とベッド

老人ホームや病院、学校など多岐に渡る

ソーシャルワークの実習先は、社会福祉士が実際に働く施設であり、種類は多岐に渡ります。
一例として、以下が挙げられます。

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 地域包括支援センター
  • 都道府県社会福祉協議会
  • 障害者支援施設
  • 病院
  • 児童養護施設
  • 教育施設 など

実習時にどのような施設に配属されるかは、各学校や養成機関がどこの施設と契約しているかによって異なります。
大学や養成機関の中には、サイト上などで具体的な実習先を公表しているところもありますので、入学前にチェックしてみるのもよいでしょう。

実習先の探し方

実習先は、大学や養成機関で探してもらう方法と、自分で探す方法とに分けられます。
学校側で探してもらう場合には、自分の実習したい分野の施設がない可能性もあるでしょう。
そんな時は自分で実習先を探したくなりますが、学校によっては自分で探すことが認められていない(=学校指定の施設でなければならない)というケースもありますので、確認が必要です。

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社会福祉士の実習で学ぶ内容は?

打ち合わせをする若い男性と女性

実習で学ぶこと

ソーシャルワーク実習の内容について、具体的な規定は設けられていません。
ただし、「一般社団法人 日本ソーシャルワーク教育学校連盟」の「ソーシャルワーク実習指導・実習のための教育ガイドライン(2021年8月改訂版)」によると、ソーシャルワーク実習の教育に含むべき事項として、合計10項目が掲げられています。
例として、いくつかをご紹介します。

  • 利用者や家族、施設、住民などとのコミュニケーション
  • 援助関係の形成
  • 利用者や地域の課題を把握、支援計画の作成・実施・評価
  • ソーシャルワーカーに求められる技術の実践的理解(※) など

(※)実践的理解の一例

  • アウトリーチ:支援が届いていない人への積極的な働きかけること
  • コーディネーション:相談者の必要に応じて、社会資源の調整、関係者間の連携などを行うこと
  • ネゴシエーション:相談者の利益を守るために、双方が納得できるように交渉すること など

ソーシャルワーク実習指導の内容

ソーシャルワーク実習指導は実習前と実習後に分かれて行われ、その内容は多岐に渡ります。
ここでは、その内容を一部ご紹介します。

【実習前】

  • 実習内容についての説明を受ける(オリエンテーション)
  • 実習の意義、実習に際しての振る舞い方、実習先での守秘義務、その他注意点などについて学ぶ
  • 実習先施設への理解を深める
  • 実際に実習を経験した先輩の報告会へ参加する
  • 実習日誌や記録のつけ方を覚える
  • 面接やレポート、試験などを通して実習分野を選定する
  • 実習の計画書を作成する など

【実習後】

  • 実習の振り返りや反省を行う
  • 自らの実習体験の発表や討議によって体験を共有する
  • 実習の報告会に出席する
  • 実習記録などをもとに、教員から指導を受ける など

ソーシャルワーク実習の内容は実習先によって異なる

ソーシャルワーク実習の内容は、実習先施設や、現場で実習生を指導する「社会福祉士実習指導者」の考え方などによって異なります。
しかし、大きく分けると、相談と介護の2種類があります。

【相談】

施設の利用者が何に困っているのかを聞き取り、解決方法を考えて実践する業務です。
ただし、配属直後は、担当者に同行して仕事の流れを把握したり、業務のサポートを行ったりすることから始まるケースが一般的です。
利用者が施設へ入所する際に、手続きの補助を行うこともあります。

【介護】

特別養護老人ホームや介護老人保健施設など、介護が必要な利用者がいる施設での実習では、介護業務を行うケースも多いです。
業務の内容は、利用者の食事や移動・入浴時の介助、掃除、レクリエーションの計画や実行、病院へのつきそいなどが一例として挙げられます。

また、実習日誌をつけるのも、実習生の大切な勉強のひとつです。
実習日誌には以下内容を記入します。

  • その日の実習の目標や内容
  • 実習中に担当者などから受けた指導内容
  • 考察(実習の中での気付きや改善点、目標への到達具合などを深掘りする)など

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実習が免除されることがある?

実習免除の条件

社会福祉士国家試験を受けるために必須の実習ですが、一定の条件を満たせば免除されます
実習免除の条件は、厚生労働省によって定められた施設・職種(後述します)での相談援助の実務経験が「常勤」で「1年以上」あることです。
アルバイト、パートでも条件(常勤の職員の4分の3以上の時間、相談業務に携わっていること)を満たしていれば、免除の対象となります。

また、介護福祉士、精神保健福祉士の資格所有者、または履修中の方は、60時間を上限に実習が免除されるという規定もあります。

実習が免除されることにより、本来であれば実習に充てているはずの時間を他の勉強に費やせる、実習費用を節約できるといったメリットが得られるでしょう。

免除対象となる実務経験の施設と職種

実習免除の対象となる実務経験の施設と職種は、非常に多岐に渡ります。
以下はその一例です。

施設例 職種例
介護老人保健施設 支援相談員、相談指導員、介護支援専門員
特別養護老人ホーム、老人デイサービスセンターなど 生活相談員、生活指導員
児童相談所 児童福祉司、電話相談員、児童指導員、受付相談員など
母子生活支援施設 母子指導員、母子支援員、少年指導員など
身体障害者更生相談所 身体障害者福祉司、ケースワーカー、心理判定員、職能判定員員
病院、診療所 相談員(医療ソーシャルワーカー)、退院後生活環境相談員
福祉事務所 家庭児童福祉主事、専任の家庭相談員、面接相談員、就労支援員など

条件に自身の職種が当てはまるかどうかは、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターのホームページ上で確認できます。
尚、介護職員やホームヘルパー、医師、看護師、理学療法士などの職歴は実務経験としては認められないため、注意が必要です。

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まとめ

社会福祉士になるために避けては通れない科目が実習です。
実習は、今まで学んできた知識を実際のソーシャルワーク業務と結び付けるための貴重な機会となります。
不安を感じることも多いかもしれませんが、ぜひ前向きに取り組んでみてください。

実習を含む必要な条件を全て満たすと、社会福祉士国家試験の受験資格が得られます。
社会福祉士と名乗って働くためには、試験合格率が30〜40%程度といわれるこの難関を突破しなければなりません。
「独学では合格できるか心配」、「一発で確実に合格したい」とお考えの方には、各スクールが開講している受験対策講座を受講されることをおすすめします。

社会福祉士の資格取得方法について詳しくは『社会福祉士になるには』で紹介していますので、本記事と合わせてご一読ください。

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