実務者研修の取得期間はどれくらい？期間を短縮する方法も解説

「実務者研修は6ヶ月かかるため、早めに受講した方が良い」と言われていますが、私も同感です。

とはいえ、

• 「なぜ6ヶ月も期間がかかるの？」
• 「実務者研修の期間を短縮する方法・最短で取るには？」
• 「働きながら6ヶ月で無理なく取得する方法を知りたい」

という人もいるでしょう。

そこで本記事では介護福祉士として勤務歴9年の私が、実務者研修の期間について解説していきます。

また「いつから実務者研修を受講すれば良いだろう」という人に向けて、受講開始時期も紹介しています。ぜひ最後までご一読ください。

実務者研修の期間は約6ヶ月間とされている

実務者研修の期間は無資格の場合、最短でも修了まで6ヶ月と厚生労働省より定められています。理由は介護福祉士の資格取得方法が見直され、資格取得を目指す現場職員が実務者研修を受講しやすいようにしたためです。

実務者研修を無資格の人が取得する場合、以下のカリキュラムを受講する必要があります。

教育内容	実務者研修時間
人間の尊厳と自立	5時間
社会の理解Ⅰ	5時間
社会の理解Ⅱ	30時間
介護の基本Ⅰ	10時間
介護の基本Ⅱ	20時間
コミュニケーション技術	20時間
生活支援技術Ⅰ	20時間
生活支援技術Ⅱ	30時間
介護課程Ⅰ	20時間
介護課程Ⅱ	25時間
介護課程Ⅲ（スクーリング）	45時間
発達と老化の理解Ⅰ	10時間
発達と老化の理解Ⅱ	20時間
認知症の理解Ⅰ	10時間
認知症の理解Ⅱ	20時間
障害の理解Ⅰ	10時間
障害の理解Ⅱ	20時間
こころとからだのしくみⅠ	20時間
こころとからだのしくみⅡ	60時間
医療的ケア	50時間（※）

※「医療的ケア」は講義50時間とは別に演習を修了する必要がある
参照：厚生労働省 l 実務者認定ガイドライン

表にある介護課程Ⅲと医療的ケアは、スクールに通わないと受講できません。また医療的ケアは、座学と演習があるため6ヶ月以上かかる可能性もあります。

ですが、介護関連の資格を保有していると、研修期間が一部免除され短い期間で実務者研修を取得できます。次章で、実務者研修の期間が短縮される方法を解説します。

実務者研修の期間を短縮する方法・最短で取るには？

実務者研修の期間を短縮する方法について触れていきます。どのような介護関連の資格を取得すると、実務者研修の研修時間を免除できるのか参考にしてください。

• 初任者研修を保有していると約4ヶ月
• 資格によってはさらに期間を短縮できる
• 無資格は約6ヶ月

初任者研修を保有していると約4ヶ月

初任者研修を取得している人は、320時間（約4ヶ月）カリキュラムを受講すると実務者研修を修了できます。受講が免除されるカリキュラムは以下の9つです。

免除される教育内容	免除される時間
社会の理解Ⅰ	5時間
介護の基本Ⅰ	10時間
生活支援技術Ⅰ	20時間
生活支援技術Ⅱ	30時間
介護課程Ⅰ	20時間
認知症の理解Ⅰ	10時間
障害の理解Ⅰ	10時間
こころとからだのしくみⅠ	20時間
合計	130時間

また初任者研修を取得することで、スクールの費用も安くなります。

資格によってはさらに期間を短縮できる

初任者研修以外にも、以下の資格を取得していると実務者研修の期間が免除されます。

免除される資格	免除される時間
初任者研修	130時間
ヘルパー（訪問介護員研修）1級	355時間
ヘルパー（訪問介護員研修）2級	130時間
ヘルパー（訪問介護員研修）3級	30時間
介護職員基礎研修	400時間

参照：厚生労働省 l 実務者に係る修了認定について

表の中でも介護職員基礎研修を取得すると、研修時間が大幅に免除されます。介護職員基礎研修とは、介護職員の専門性を高めることを目的に作られた研修です。

どの資格も、喀痰吸引研修が用意されている医療ケアは免除されません。必ず50時間以上は受講する必要があります。

無資格は約6ヶ月

実務者研修の研修時間は無資格の場合、研修時間が450時間以上・6ヶ月と厚生労働省が定めています。

介護関連の資格を取得していない場合だと、すべてのカリキュラムを受講するため時間が掛かります。介護福祉士国家試験を受験したい人は、早い段階から計画的にスクールで受講しましょう。

スクールの受講方法は通信講座と通学講座があります。

通信講座	通学講座
◆特徴 仕事をしながらでも受講できる	◆特徴 スクールで講師から直接講義を受けられる
◆おすすめな人 働きながら実務者研修を受けたい人 自分のペースで学習したい人	◆おすすめな人 集中できる環境で学習したい人 すぐに講師に質問できる場が欲しい人

>> 働きながら実務者研修を修了するポイント

働きながら実務者研修を取得する方は、通信講座を活用するのがおすすめです。次章では、通信講座に関して紹介します。

実務者研修を早い期間で取得するなら通信学習とスクーリングを使う

「働きながら資格を取りたい」
「通う時間がないから自宅学習で取得を目指したい」

そんなあなたには、通信講座での資格取得がおすすめ！通信講座のメリットは、以下の通りです。

しかし、通信講座だけで実務者研修を修了することはできません。一部の科目（介護課程�Vと医療的ケア（演習））は、通学が必須になります。ですが、通学は約7日間で終わるので、そこまで心配する必要はありません。

また、通信学習には課題提出も含まれます。「通信学習を進めながら課題の提出をし、時々スクーリングに通い修了試験を迎える」こういった流れで通信講座は進みます。

>> 通信講座はスクール選びが大切！スクールの選び方について

介護福祉士を取得するために実務者研修はいつから受け始めれば良い？

• 実務者研修の受講は4月開始がおすすめ
• 実務者研修の修了証明書に有効期限はない
• 実務経験から介護福祉士を受験する際の条件

実務者研修の受講は4月開始がおすすめ

実務者研修は、介護福祉士国家試験の筆記試験日から逆算して申込むと良いです。介護福祉士の筆記試験は毎年1月末に実施され、3月上旬に実技試験が実施されます。

実務者研修を修了するまで6ヶ月と仮定した場合、介護福祉士の筆記試験対策の時間を含めると、4月から実務者研修を受講すると良いです。遅くとも6月頃には受講し始めないと間に合いません。

※介護福祉士受験年度の「12月末までに実務者研修を修了」していることが受験要件になります

4月	実務者研修の受講開始
10月	実務者研修修了見込み
11月から1月中旬	介護福祉士の筆記試験対策
1月下旬	介護福祉士国家試験

上記のスケジュールで進めると良いでしょう。実務者研修を修了すれば、3月上旬に実施される介護福祉士の実技試験は免除されます。

実務者研修の修了証明書に有効期限はない

実務者研修を修了すると、実務者研修修了証明書が発行されます。修了証明書に有効期限はないため、実務者研修修了後にいつ介護福祉士を受験しても問題ありません。実務経験を積む前に、実務者研修を受講する方もいらっしゃいます。

なお、実務者研修の修了証明書は、就職時の履歴書への添付や、介護福祉士の受験時にも使用します。大切に保管するようにしましょう。

実務経験から介護福祉士を受験する際の条件

介護福祉士の受験には条件があります。実務者研修を受講する方は、実務者研修を修了するだけでなく、介護の現場で3年以上（かつ540日以上の従事）が必要です。

実務者研修を修了しただけでは介護福祉士を受験できないので、その点注意しましょう。

働きながら、できるだけ早く実務者研修を取得したい方は、通信講座のスクール選びが大切になります。次章で、スクールの選び方を解説します。

働きながら実務者研修を修了するポイントは？スクールの選び方について

働きながら実務者研修を取得する方は、スクール選びが大切になります。下表でスクール選びのポイントを紹介するので、参考にしてください。

スクールのコースは、時期によっても変わります。通いやすいコースが開講されているか、最新のスクール資料で確認するようにしましょう。

また、スクールでは受講費用が割引になるキャンペーンを実施していることがあります。キャンペーンも時期によって実施の有無が変わるので、最新の資料で確認するのがおすすめです。

>>【無料】エリアを選択しておすすめスクールの資料を一括請求

迷ったらここで比較！全国展開している実務者研修のおすすめ定番スクール

実務者研修を実施しているスクールの中でも、全国に教室を展開している定番スクールをご紹介します。「どのスクールを選んだらよいかわからない」という方は定番スクールから選ぶのがおすすめです！

実務者研修から介護福祉士国家試験を受けるまでの一般的なスケジュールは下記の画像を参照してください。夏以降に実務者研修をスタートする方は、翌年の受験も視野に入れるとよいでしょう。

※横にスクロールできます

*受講費用は、所持資格・エリアによって異なります
※時期により開講していない場合もあります。最新のスケジュールは、スクール資料でご確認ください

では、各スクールの詳細を順番に解説します。なお、上表のスクールがお住まいのエリアで開講しているかは、下記からご確認ください。

>>【無料】お住まいのエリアのスクール資料を一括請求

三幸福祉カレッジ

出典：https://www.sanko-fukushi.com/

※1「教育ローン」：三幸福祉カレッジでは、教育ローンのご利用で、受講料を分割で支払うことができます。各種割引制度・各種給付制度との併用も可能です。ご利用には審査があり、承認完了後、教材が発送されます。そのため、ご利用を検討している方は早めに申込みをしたほうがよいでしょう。

「三幸福祉カレッジ」は、全国に展開している福祉教育の専門スクールです。地元の介護施設などと提携して、47都道府県に400ヵ所以上の教室を開いているので、自宅や勤務先から通学しやすい教室を選べます。

三幸福祉カレッジの実務者研修は、「自宅学習」と「通学講習」を組み合わせたカリキュラムです。通学は計7回なので、働きながら資格を取得したい方でも安心ですね。体調不良や仕事の都合などでやむを得ず欠席した場合も、無料で振替授業が受けられるなど、サポート制度も充実。

通いやすさを重視する方におすすめのスクールです。

資格の大原

出典：https://www.o-hara.jp/course/kaigo_fukushishi

※2「専門実践教育訓練給付制度」：厚生労働大臣の指定する専門実践教育訓練を受講し修了した場合、本人が教育訓練施設に支払った教育訓練経費の一定の割合額（上限あり）がハローワークから支給される制度です。受講のために受講者本人が支払った入学金および受講料の50％相当額（年間上限40万円）が支給されます。

「資格の大原」は、様々な資格講座を展開するスクールです。「本気になったら大原」のCMに聞き覚えのある方も多いのでしょう。

資格の大原の実務者研修は、通信（自宅）での学習を中心にスクーリングを組み合わせて受講を進めます。仕事と受講を両立しやすくするために、スクーリングは週1日・計6回に設定されています。スクーリング会場は全国の大原の校舎が対象になるので、お住まいの地域の主要駅からのアクセスも良好です。

資格スクール大手の安心感と利便性を重視したい方にぴったりのスクールと言えるでしょう。

資格の学校ホットライン

出典：https://www.w-town.co.jp/

※2「専門実践教育訓練給付制度」：厚生労働大臣の指定する専門実践教育訓練を受講し修了した場合、本人が教育訓練施設に支払った教育訓練経費の一定の割合額（上限あり）がハローワークから支給される制度です。受講のために受講者本人が支払った入学金および受講料の50％相当額（年間上限40万円）が支給されます。

「資格の学校ホットライン」は全国で介護資格講座や研修を開いているスクールです。大手スクールと比べると小規模ですが、その特性を活かして一人ひとりに内容の濃い研修をすることに視点を置き、実践力のある人材の育成を目指しています。

資格の学校ホットラインの実務者研修はオンライン授業も導入されていますので、スクーリング以外は自宅で受講することができます。毎週決まった曜日に開催されるのでスケジュールも立てやすくて安心です。

実務者研修を通して実践力を身に着けたい方、講師からしっかりと指導を受けたい方におすすめのスクールです。

土屋ケアカレッジ

出典：https://tcy-carecollege.com/

土屋ケアカレッジは、「重度訪問介護」の支援ができるヘルパーをはじめ、未来の介護を担う人材の育成に力を入れている介護資格専門の教育研修機関です。全国に教室を展開しており、いずれも主要駅から徒歩圏内にあるなど通いやすさが魅力の一つです。

土屋ケアカレッジの実務者研修も「自宅学習」＋「通学講習」を組み合わせたカリキュラムです。自宅学習はテキストを利用し、自分のスケジュールに合わせて学ぶことができます。通学は最短7日間。受講できない日程がある場合も無料で振替受講できるので安心です。

働きながら資格を取得したい方、通いやすさを重視する方におすすめのスクールです。

未来ケアカレッジ

出典：https://www.miraicare.jp/

未来ケアカレッジは、未来の介護を担う人材の育成を目標とした教育をおこなう機関です。全国で80個以上の教室があり、地域に寄り添った教育体制が特徴となっています。
また、専属コーディネーターがつくため、修了後も就職に困ることがありません。介護士として新しいキャリアを築きたい人には、おすすめのスクールです。

【都道府県別】介護福祉士実務者研修スクールを一覧で紹介！

こちらでは、都道府県別におすすめの介護福祉士実務者研修スクールを紹介しています。都道府県名をクリックすると、おすすめスクールを紹介しているページに移動します。

実務者研修の期間に関するQ＆A

実務者研修の期間に関するよくある質問を紹介します。

• Q1：実務者研修は何ヶ月かかる？
• Q2：実務者研修を受けないとどうなる？
• Q3：実務者研修は何歳から？

3つの質問に回答していきます。

Q1：実務者研修は何ヶ月かかる？

実務者研修を無資格で受講する場合、研修時間は450時間、6ヶ月の受講が厚生労働省より定められています。また以下の資格を保有していると、一部のカリキュラムが免除され、研修時間を短縮できます。

免除される資格	免除される時間
初任者研修	130時間
ヘルパー（訪問介護員研修）1級	355時間
ヘルパー（訪問介護員研修）2級	130時間
ヘルパー（訪問介護員研修）3級	30時間
介護職員基礎研修	400時間

参照：厚生労働省 l 実務者に係る修了認定について

実務者研修をできるだけ早く修了したい人は、介護関連の資格を事前に取得しておくと良いでしょう。

Q2：実務者研修を受けないとどうなる？

実務者研修を修了しないと、介護福祉士国家試験に申込できません。また修了見込でも受験できますが、年度末（3月31日）までに修了証明書を試験センターに提出しないと無効となります。

介護福祉士国家試験を受験するには、実務者研修修了証明書または修了見込証明書が必要です。介護福祉士国家試験を受験しようか検討している人は、必ず実務者研修を受けてください。

Q3：実務者研修は何歳から？

実務者研修は、具体的に法律で何歳からと決められていません。未成年の場合、保護者の同意のもと受講できます。

ただし、受講条件に16歳以上と定めているスクールが多いです。またスクールによっては、実技演習で身体に負担がかかることから、妊娠している人の受講をお断りしているところもあります。スクールによって受講条件は異なるため、申込前に確認すると良いでしょう。

まとめ

実務者研修の期間については以上となります。最短で資格を取得したいなら、介護関連の資格を事前に取得しておくと、実務者研修のカリキュラムが一部免除され修了までの期間を短縮できます。

実務者研修は無資格の場合だと、修了するまで6ヶ月以上かかるため、介護福祉士国家試験に受験したい人は、4月から受講すると良いでしょう。受験に向けた受講時期はスクールが混み合うので、スケジュールに余裕をもって受講してください。

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